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<まさに不死鳥のようによみがえる・・・ジャンボ尾崎の心意気>

昨年10月、日本人としては4人目の快挙だった。通算113勝と日本ツアーで12回の賞金王が評価され、世界ゴルフ殿堂入りを果たしたジャンボ尾崎。

その表彰式が、5月9日に、米フロリダ州セントオーガスティンで行われるが、本人はこの出席を断念。座骨神経痛の持病があり、64歳にはなおさら長時間のフライトはきつい。「俺はあくまでトーナメントを頑張りたい」。そのためにも、あえてリスクはおかさない。また、このたびの大震災への主催者側の配慮もあった。「日本はいま大変な時期だから、無理はしないでと、向こうも言ってくれていたんだ」と、その経緯を明かした。代わりに、いま米シニアはチャンピオンズツアーを転戦中の弟に頼むことにした。表彰授与式は長兄のかわりに、直道が出席して代役をつとめる予定だ。

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晴れの舞台に立てないことで本人もさぞ残念と思いきや、ニヤリと笑った。「俺は過去にはこだわらないから」。かねてより、「もっとも新しい勝利が一番大事」が口癖だったジャンボにとって、殿堂入りももはや遠い昔の話。関心事は、常に目の前にある。

そしてさぞ晴れやかかつ厳かであろう当地での式典を前に、さっそく復活ののろしを上げてみせたのだ。先週の「中日クラウンズ」で初日3位タイの好発進。19歳に宣戦布告していたのは、くしくもその日の朝だった。「今年は、お前と戦える」。そう面とむかって言われた石川遼も、「嬉しかった。鳥肌がたった」。そしてそのとおりに64歳は、1976年の中村寅吉氏の60歳と7ヶ月を塗り替える大会最年長の予選通過どころか、2日目は11位タイという好位置で、今年最初の決勝ラウンドに進んで石川の期待に応えてみせたのだった。

常にキャディバックに携行し、インターバルのたびに腰を下ろさずにはいられなかった簡易チェア。それが今年は見られない。昨年終盤に手放すことを決意。持病の座骨神経痛も、いまはほとんど症状がみられない。杉原輝雄に、「加圧トレーニング」を勧められたのは2年前。「おっさんが言うことだから、そのときは聞き流していたんだ。でも1回、やってみようと思った」と、このオフから着手。「いい結果が出た」と、さっそく効果が表れた。石川も「僕から見ても体格が違うな、と」。周囲にもそれと分かるほど、見違えて迎えた2011年だった。

「今年のジャンボは違うよ」とニヤリ。そして、「杉原のおっさんにも恥ずかしくないようにしたい」とガン闘病中の恩人にむけて、力強いメッセージを贈ったジャンボ。震災発生当時には、いちはやく街頭募金に立った。不死鳥のようによみがえる姿を見せたいのは、ドンに対してだけじゃない。

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2011年 中日クラウンズ



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