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ツアープレーヤーたちの復活<丸山茂樹>

18歳の賞金王が誕生した日。40歳が復活を果たした。ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」で丸山茂樹が国内では10年ぶりとなる通算10勝目を飾った。その兆しはシーズンも終盤にさしかかったころにはビンビンに出ていた。最初は11月の「レクサス選手権」。初日に首位発進して、久しぶりにユーモアたっぷりの記者会見で笑わせてくれた。

近年のドライバーヘッドの大型化と、その克服に費やしてきたこれまでの苦労についてひとしきり語ったあとで「僕は旧型のガンダム。でも技量はある」と、いつものひねりの利いた独特の言い回しに自信をのぞかせ、復活間近を大いに匂わせたものだ。そしてスコア提出場で、少年のような笑顔を見せたのも最終戦。それは寒風吹きすさぶ大会初日だった。おまけに激しい雨。「恥をしのんで」大きなミトンでどんなに暖めても、手はかじかんで、ラウンド中にスコアカードを書くことすらままならない。

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結局、1ホールも記入できずに上がってきた。マーカーを請け負った選手に時間を取らせてしまうことを謝り、最後の18ホールから順を追って、四角いマス目に書き込んでいった。その様子に他の選手たちは目を丸くした。「凄い、良く覚えていますね!」。そして、最後の1番まで完璧に仕上げた丸山に「僕なら絶対無理」と、みなが尊敬のまなざしを浴びせた。

以前、長く第一線に身を置いた選手ほど、記憶力が良い傾向にあることは、このコーナーでもお話したとおりだが、丸山もまたしかりだった。そんな丸山に、スタッフの一人が切り出した。「ジャンボさんもそうなんです。僕らがいつ、どこで尋ねても一緒に回った他の選手のプレーまで全部、覚えていてちゃんと教えてくださるんですよ」。それを聞いた途端に、丸山の笑顔が輝いた。本当に嬉しそうな顔をして「ジャンボさんもそうなんだあ…!!」。これに気をよくして最終日に優勝……というわけでもないだろうが、尊敬してやまないジャンボとの共通点を見いだして、誇らしげに胸を反らしたのは確かだ。

92年のデビュー当時、丸山の“壁”はジャンボ尾崎だった。みんなで寄ってたかっても、簡単には崩せなかった。時は巡り、いよいよ自分がその壁になるべき番が巡ってきた。「僕はそんな迫力のある壁じゃなくてもいい」と苦笑して、「丸山が上に来たら嫌だなあとか、しつけえなあとか……。そんなふうに思われる存在でいたい」。最終戦での1勝に、その自覚はいっそう高まった。「僕の40代のゴルフには大きな一歩。これからは、少しでも若手の見本になれるよう、ツアーを盛り上げていく」と、いよいよ2009年の最終戦で宣言したのだった。

関連リンク

2009年 ゴルフ日本シリーズJTカップ



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