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プレーヤーズラウンジ

ツアープレーヤーたちの決意<片山晋呉>

2007/01/08 16:40

昨年のある大会。ホールアウト後に片山晋呉が、ボランティアの方となにやら楽しげに談笑していた。どうやら、話題は電光掲示板付きのベルトのことらしく、バックルの部分をいじりながら片山が一生懸命説明している。「ほら、ここをこう押したら、ねっ? 文字が順番に出てくるの。読める?」「うわ~ほんとうだ! あ、ローマ字が出てきた。何なに? シ、ン、・・・ジョウ!?」。

さすがの片山も、この読み違いにはズッコけた。「もぉ~、ちがうでしょお~! 最後はGO(ジー・オー)。SHINGO。シ、ン、ゴだよぉ。ちゃんと読んでよぉ」「あ、そっかあ、ごめんごめん!」と顔を見合わせ大笑い。

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折りしも、日ハムファイターズの新庄剛志選手の引退に沸いていたころ。しかも今年は、新庄選手がこれと同じベルトをしてバッターボックスに立って話題になったから、間違って読まれても無理はないかもしれない。片山も、特に気を悪くする素振りもなく、平然と胸を張った。「確かに、野球のほうが人気があるから仕方ないけれどね。僕は一昨年からこのベルトをしてる。僕のほうが新庄選手よりも先だよ!」。

2006年も、さまざまなパフォーマンスでツアーを盛り上げた。そこには「なんとかゴルフの面白さを伝えたい」という真摯な思いが込められていた。

時に、それが誤解を招いて良からぬ風に報道されることもあった。一時はそれに気を病んで、すっかり元気を無くした時期もあったが3年連続の賞金王に「たとえバカだと言われても、僕は僕のやり方でゴルフ界を盛り上げたい」との気持ちを新たにした。

そんな思いが自らマイクを握らせた。昨年末、選手会長の横田真一と臨んだ共同記者会見のことだ。

記者のみなさんからの質問タイムでしばらく沈黙の時間が流れたとき、ふいに「・・・すみません、僕のほうから良いですか?」と言って切り出したのだ。

「僕も含めて若手はみんな世間知らずで、ほんとはなんにも分かってないんです。言葉遣いや態度、コースでどう振舞うべきか、ギャラリーの声援にはどんなポーズで答えるべきか・・・僕だっていろいろ書かれて傷ついたりする中で、『あ、こういうのはダメなのか、じゃあやめておこう』とか、いろいろ試行錯誤でやってきました。でも、若手の中にはそうやって書かれるのが怖いから『僕は何もしないで大人しくしておこう』とか言ってるのもいる。それでますます『今は個性が無い』とか言われる。

悪循環なんです。だから、みなさんにお願いです。僕らに、『もっとこうなって欲しい』とか、意見を言ってきて欲しい。選手と、関係者、メディアのみなさんとで一丸となって、ゴルフ界を盛り上げていきたいんです。ぜひご協力をお願いします!」。

確かに、いま男子ツアーは女子人気に押され気味だ。しかし、片山はこう思っている。

「レベルの差は、もうみなさん分ってくださっているはずだと」。

全英オープン5位の谷原秀人や欧州メジャーに勝ったジーブ・ミルカ・シンタイガー・ウッズに競り勝ったY.E.ヤン・・・。日本をベースに戦っている選手たちが、海外でもその実力を開花させている。「彼らの活躍も、ジャパンゴルフツアーがあってこそ」。しかし、何かというと女子と比べられて伝えられてしまう。それが片山には残念でならない。

横田も、片山の言葉を受け継いで言った。
「確かに、女子人気はすごいと思う。でも、『だから男子は人気がない』とか『低迷している』とか書かれると、ますますそうなっていくというのもあるのではないでしょうか」と訴えた。

横田は、選手会長2年目の昨年にシード落ちしたばかりか2007年度の出場権さえ失った。この2年間、ツアーの発展に心を砕いてきたが、今年は自身のことに専念せざるをえない。「・・・でも、シンゴがますます盛り上げよう、という気持ちになってくれているので安心です」。新年を前に、しっかりと右手を握り合った2人。賞金王が決意を固めた。「今年も、僕のゴルフで男子ツアーを盛り上げていく」。目標はもちろん、青木功の記録に並ぶ4年連続の賞金王だ。



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