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プレーヤーズラウンジ

ツアープレーヤーたちの狂“騒”曲<石川遼>

2008/01/14 15:26

先週10日(木)に、晴れて“ツアープレーヤー”の仲間入りを果たした16歳の石川遼。アマチュア時代は「石川クン」と敬称をつけてきたが、これからはこのコーナーでもほかのプロ同様「石川」とか「遼」と呼ばせていただく。

石川のプロ宣言の記者会見は、男子ゴルフではここ数年では記憶にないほどの“狂騒”ぶりだった。なんといっても、報道陣の数が半端ではなかった。会見の開始は14時からだというのに、早くも正午前から続々と集まり始め、ついには300人を超えるメディアが会場となった都内のANAインターコンチネンタルホテル東京に押し寄せたのだ。

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合計50人を超えるスチールカメラマンはまるで“初売り”よろしく、早いもの順に列をなした。「我こそは」とばかりに、オープンと同時に会見場にいっせいになだれ込み、絶好のポジション取りに余念がなかった。また、30台のテレビカメラの位置決めは、前代未聞(?)のくじ引きで行われた。13時15分からの抽選会で、大人たちが一喜一憂する様子は微笑ましいというか、なんといおうか…。
そんなこんなで、会見の20分前にはみなすっかり準備万端。自然と、300人の視線はある一点に集中した。

16歳が登場するであろう入場扉だ。

そんな異様な空気を、壁の向こうの控え室から察知してか、いざ会見場に現れた石川は、いつになく強張った顔で入ってきた。いつもなら、満面の笑みをたたえて席に座るはずが、このときばかりはほとんど表情も動かない。しきりにたかれる無数のフラッシュ。それに向かってようやく笑顔を浮かべたのは入場して数分がたってからだったが、それでもどことなく引きつった感じであった。初優勝のスピーチでも物怖じしなかった石川が、人生の新しい門出にはさすがに思うところもあったのだろう。あとで関係者に「物凄く緊張した」と打ち明けたのも、彼には珍しいことだった。

はじめにテレビと、あとに紙媒体用の2部に分けて行われた約1時間半にも及ぶロングインタビューは、途中で米国のゴルフ専門チャンネルの記者に英語でのメッセージを求められて絶句する場面も。マイクを握ったまま、必死で頭をめぐらせる。数秒の沈黙ののち、たまりかねて「勝つって、WINだよね?」とすがる目をして隣に座る父・勝美さんに小声でたずねる様子に、会場の笑いをさそった。

そして、意を決して一息に言い切った。

「I want to play with Tiger in the future. I would like to win the Masters」。

いつかタイガーとプレーしたい。マスターズで優勝したい…。会見にはロイター、AP、UPIなど、世界有数の通信社も駆けつけた。全米9000万戸の視聴者を抱え、欧州などでも放映しているゴルフチャンネルが、16歳の壮大な夢を全世界にむけて伝えた。その一方で、今年の正月にもお年玉をもらったことを打ちあけ、「おじいちゃんは来年もあげると言ってくれた」と、等身大のコメントも。「来年は、妹と弟にお年玉をあげられる余裕がある人になりたい」と、笑わせた。

最後に改めて時間を取って行われた撮影会は数十分間にもおよび、「遼クン、こっちこっち!」「左を見て」「今度は上を!」「次は右見て!」視線を求める呼びかけに混じって「あ~、いいねいいね~。その表情いいよ~」などと、まるでどこか別の“撮影会”を彷彿とさせるようなカメラマンの声も。史上最年少プロの誕生は、笑いあり、ハプニングあり…。ここ数年で、もっとも注目を集めたといっても良い“一大イベント”は、大騒ぎのうちに幕を閉じたのだった。



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