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プレーヤーズラウンジ

ツアープレーヤーたちのペアルック<川岸良兼>

2008/08/04 09:20

以前このコーナーで、プロアマ日にキャディとウェアがかぶってしまい、気まずい思いをした豪州のスティーブン・コンランの話をお伝えしたが、先月のセガサミーカップはいよいよ選手同士で“ペアルック”のハプニングが起きた。

しかも同組。大会2日目に、ミズノ所属の川岸良兼桑原克典がバッティング。スタート前の練習場で、2人とも目が点になった。まったく同じデザインの、真っ赤なポロシャツを着ていたのだ。

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「ど、どうしましょう!?」と桑原。「僕、今日はこれ1枚しか持って来てないんですよ!」。「じゃあ、俺が着替えるよ」と3つ先輩にもかかわらず、川岸は快く答えた。「・・・そういう俺って、なんて優しいの?!」と、笑った。そして「だから俺はゴルフに向いてないんだ」と、結論づけた。

今季、やたらとそういう発言が出てくる。

ゴルフが嫌いなわけではない。「練習は好きなんだよ」。実際に、練習場では思い通りのショットができるのだ。「それがなんでコースで出来ないのか・・・。やっぱり、俺には向いてない」と、言いつのる。

今季は、中日クラウンズで4位タイ。セガサミーカップで10位タイにつけて、好調をキープしているはずなのだが、それでもなお自信のコメントがさっぱり出て来ない。

昨年は、5年ぶりに賞金ランクによるシード落ちを喫し、「生涯獲得賞金25位内」の資格を行使しての参戦だ。「生きていても仕方ない」とコメントして周囲を絶句させたのは、出場権すら失った2001年。89年に鳴り物入りでデビューした元祖・怪童も今年41歳を迎え、プロの怖さを知り尽くして痛感している。

「俺みたいに優しい人間は、この世界ではやっていけない」。そんな性格だから、勝負にも向かないと自己分析。「この世界はギャンブルみたい。当たればデカいけど、俺にはその欲がない。この商売には全然向いてない」と、言い張るのだ。

先の桑原は「確かに川岸さんは、とても気配りの人です」と証言する。「たとえばウェアの件も、僕なんかはそれほど気にしないタチだから、最悪はこのまま2人とも同じ服でやってもいいかな・・・なんて内心では腹くくってたんだけど、川岸さんはダメなんだね」。

同じ組で回る選手が同じ服を着て、ギャラリーに対してビジュアル的にどうか。「もっと言えば、僕に対してもそれはどうなのか・・・。そういうことをつい考えてしまうのが川岸さん。人の良さでつい『あ、俺が着替えるよ』って、先輩なのにすんなりと言ってしまえるところがある」。

きっと本人も、そういう自分の性格が分かり過ぎるほど分かっていて「ゴルフに向かない」などとこぼすのだろうが、「川岸さんは、このままでは絶対に終わらない」と、桑原は断言した。

「だって、確かに今の遼くんはすごいけど、川岸さんのデビュー当時はもしかしたら、それ以上にセンセーショナル。性格以前に、ゴルフの才能が別格な人なんです。スーパースターなんです。僕を含め、今でも川岸さんを尊敬している後輩はすごく多い。いまはなりを潜めているけれど、ハマったら必ず来る。きっと必ずもう一度、大きな波を起こせる人だと僕は思ってますから」。

後ろ向きなコメントを繰り返す本人とはうらはらに、周囲の評価はすこぶる高い。「・・・そんなこと言ってても、お金は稼がないといけないしね」とは本人の弁。弱気なことを言いつつも「遼くんにはまだまだ負けないよ!」とニューヒーローにもライバル心むき出して、41歳が復活にかける!



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