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2018年 RBCヘリテージ
期間:04/12〜04/15 場所:ハーバータウンGL(サウスカロライナ州)

佐藤信人の視点 勝者と敗者

有言実行タイプ 小平智の次なる目標

小平智選手の強さは? と聞かれたならば、飛距離やショット力はもちろんのこと、自分を信じ抜く心の強さにあると答えたいと思います。

小平選手は明確な目標を掲げ、それを公言し、実現してきました。余計なことは語らず黙々と試合をこなす日本人選手が多くいる中で、彼のような存在は希有と言えると思います。発言は常にポジティブで、コメントはすべて世界を視野に入れた内容。ただ、それがまったく嫌味に感じられないのは、彼が目標に対し真摯に向き合い、しっかり結果を残してきた“有言実行タイプ”だからに違いありません。

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日本人史上最速の米ツアー初勝利(15試合目)の伏線を紐解く場合、昨季のメジャーでの戦いにさかのぼる必要があります。「全米オープン」46位、「全米プロ」48位。どちらも予選を通過する好結果を残せたことが、次なる目標へ走り出すきっかけとなりました。

昨年末は世界ランキング50位以内という「マスターズ」出場資格を逃し、悔しい思いもしましたが、彼は諦めることなく目標へ突き進み出場権を手にしました。前哨戦の「WGCデルテクノロジーズ マッチプレー」では、初日にラファ・カブレラベロー(スペイン)に敗れ、「トンネルの中にいる感じ」とコメントを残すほど打ちのめされましたが、わずか2週間後にすばらしい結果を残すまでに復調。この驚異的な切り替えを生んだのも、彼が自分を信じ抜いたからこそと言えると思うのです。

そして今から思うと、彼が常に世界ランキングを意識していたのは、「マスターズ」のためだけではなかったことが分かります。「マスターズ」での好結果(28位)で満足して終わっていたならば、翌週の「RBCヘリテージ」で優勝するには至らなかったと思うからです。先を見据え、今後も世界で戦っていく心構えでいたからこそ、勝利をたぐり寄せることができたのではないでしょうか。

小平選手の意識は、我々が思っているものより常に先にあり、最終目標はまだここではないように感じます。今回の優勝で2020年まで米ツアーの出場権を得たわけですが、20年といえば東京オリンピックの開催年。今後は松山英樹選手とともに日本人のエースとして戦っていく資格を得たわけです。オリンピック出場という新たな目標も可能性としては大きくなったと言えます。彼が次に見据える目標とは何でしょうか? 急速に米ツアーの仲間入りを果たした男の有言実行ストーリーはまだ始まったばかりです。(解説・佐藤信人

佐藤信人(さとう のぶひと)
1970年生まれ。ツアー通算9勝。千葉・薬園台高校卒業後、米国に渡り、陸軍士官学校を経てネバダ州立大学へ。93年に帰国してプロテストに一発合格。97年の「JCBクラシック仙台」で初優勝した。勝負強いパッティングを武器に2000年、02年と賞金王を争い、04年には欧州ツアーにも挑戦したが、その後はパッティングイップスに苦しんだ。11年の「日本オープン」では見事なカムバックで単独3位。近年はゴルフネットワークをはじめ、ゴルフ中継の解説者として活躍し、リオ五輪でも解説を務めた。16年から日本ゴルフツアー機構理事としてトーナメントセッティングにも携わる。

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