笠は、もう一つの1位も視野に入れて戦っている

◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 初日（17日）◇エリエールGC松山（愛媛県）◇6474yd（パー72）

賞金女王レースが佳境を迎えているが、年間最優秀選手を決めるもう1つの指標、メルセデス・ランキング（LPGA Mercedes-Benz Player of the Year Rankings）も、シーズン終盤に向けて激しいトップ争いが繰り広げられている。

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米国男子ツアーのように10億円（10ミリオンドル）のボーナスとはいかないが、年間最優秀選手には、賞金500万円とメルセデスベンツ車両（昨年はCLS 550 4MATIC Shooting Brakeでメーカー希望小売価格1327万円～）が贈られる。さらに、2015年からは3年シードも付与されることになった。

メルセデス・ランキングは各大会の上位20位までの選手が、その順位に応じた成績ポイント（1位＝30pt、2位＝20pt、3位=18pt、以下1ptずつ減算）を獲得し、それに出場ポイント（1ラウンド＝1pt）を加えたものが、毎試合加算されていく仕組みになっている。なお、公式戦（メジャー大会）ではそのポイントは2倍、公式戦以外の4日間大会では1.5倍になる。

今年の国内女子ツアーでは、賞金総額6000万円から1億4000万円の試合（TOTOクラシックを除く）までが開催された。たとえば、「スタジオアリス女子オープン（3日間／6000万円）」優勝の菊地絵理香（優勝賞金1080万円）と、「ほけんの窓口レディース（3日間／1億2000億円）」優勝の申ジエ（優勝賞金2160万円）では、獲得賞金には2倍の開きがあるが、稼いだポイントは同額となる。もちろん、プロとしてどれだけ賞金を稼ぐかは重要だが、メルセデス・ランキングは選手のパフォーマンスをより客観的に評価していることになる。

メルセデス・ランキング、賞金ランキングでトップのイ・ボミ

現時点でのメルセデス・ランキングトップは賞金ランキング同様にイ・ボミだが、2位の笠（賞金ランキングでは3位）との差は24ポイント。賞金女王争いよりも拮抗しているし、笠の今季の安定したパフォーマンスを表しているとも言えるだろう。

「もちろん欲しい。なんでも1位になりたいから」と笠りつ子は明るく答えるが、現時点で複数年シードを持たない笠にとっては、意外と重要なランキングかもしれない。（愛媛県松山市／今岡涼太）