2016年 アース・モンダミンカップ
期間:06/23〜06/26 場所:カメリアヒルズCC(千葉)
「ワタシはロボットみたい」イ・ボミがこぼした涙のワケ
にこやかな笑みを浮かべて優勝スピーチをしていたイ・ボミ(韓国)が、突然涙をこぼしたのは、母親・ファジャさんへの感謝の言葉を口にしたときだった。「朝早く起きておにぎりを作ってくれたりして…。カムサハムニダ(ありがとう)」。
千葉県にあるカメリアヒルズCCで行われた国内女子ツアー「アース・モンダミンカップ」で、待ち焦がれた10戦ぶりの今季2勝目を挙げた。スポンサーやファンへの感謝を述べた後、最後に思いを巡らせたのは自身を支えてくれているチームのこと。今朝、宿舎での光景が脳裏に鮮やかによみがえった。
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眠れなかったという夜が明けると、寝室のベッドではなく、ソファーで眠っている母の姿が目に飛び込んできた。「ショックでした。なんで?って聞いたら『ボミが良く眠れるように』って…」。
強さの理由を問われたイは「お母さんが作ったご飯かな」と即答した。毎日の食事に始まり、ラウンド中は、野菜やエビ、小魚などを混ぜ込んだ母お手製のおにぎりが栄養源だ。「それに、私の体のためにトレーナーさんがいてくれるし、スイングは先生が見てくれる。コースの中では清水さんが助けてくれるし、私は“人のロボット”みたい」とおどけた。「その人たちがいるから、頑張りたいと思う」と言葉をつないだ。
自身が登場した前週のテレビアニメ「クレヨンしんちゃん」にあやかって、今週はしんちゃんのイラストが描かれたマーカーを使って計23個のバーディをもぎ取った。「しんちゃん効果」と笑ったが「でも、いっぱいテレビに映ったから同じですよね」と、宣伝効果できっちりとお返しした。
「嬉しいですね、本当に」と喜んだこの日の勝利は、我がことのように喜んでくれる家族や仲間の姿を見れば、何倍にも大きくなって自身に返ってくることだろう。(千葉県袖ケ浦市/今岡涼太)