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アマ優勝を阻んだイ・ボミ 賞金至上がプロの強み

韓国のイ・ボミが今回はアマチュア優勝の阻止に成功した。単独首位の18歳アマチュア柏原明日架を1打差で追った国内女子ツアー「ほけんの窓口レディース」の最終日、息詰まる最終組決戦でスコアを3つ伸ばし、終わってみれば完勝の通算9アンダーで逆転優勝を果たしてみせた。

5番で2打目をピン横1メートルにつけてバーディを先行させ、早々に同組の柏原に追いついた。「途中からショットがぶれてしまって、セーフティに行けばいつかチャンスが来ると信じてラウンドしました」と、その後は3メートル程度のパーパットをしぶとく入れ、若きアマチュアとの我慢比べで一歩も退かない。ティショットを右に曲げてOBとした10番も、4打目をピン手前3.5メートルにつけ、これをねじ込んでボギーにとどめた。

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10番バーディの柏原を再び追う展開となったが、11番パー5ですぐさま追いつき、13番は敵失で1打差リードとなる再逆転。2打目がピンに当たってカップを覗き込むスーパーショットとなった15番で、楽々バーディを奪い、柏原のボギーもあって勝敗を決した。ボギーを叩いても、つけ入る隙は与えず、むしろ強ささえ印象付ける試合運びだった。

4月の「KKT杯バンテリンレディス」では、15歳アマチュアの勝みなみが優勝し、2位に入ったイが優勝賞金を獲得していた。今回もその可能性はあったが「2位でも高額賞金がもらえるので私は嬉しいです。ただ、前回2位に入れたことは今日の優勝に繋がったと思います」。本人は“アマに負けたプロ”の代表格のように見られることを、気にする素振りもない。

多くの日本人選手が「アマチュアには負けたくない」というコメントをする中、イは1円にもならない“プロの威厳”など眼中にはなく、少しでも多くの賞金がもらえるならOKというわかりやすさだ。前回は同組以外の“死角”からアマチュア優勝が出たものの、同組だった今回は、肩に余計な力が入らない分、プロらしい技術差も発揮され、完勝につながった。

「賞金女王を狙う」と公言して臨むシーズン。何をおいても獲りに行く覚悟のイには、シーズン最高の栄誉以外はただの過程にすぎないのかもしれない。(福岡県福岡市/本橋英治)

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