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諸見里しのぶ、昨年9月以来の予選通過に「すごく大事」

高知・土佐CCに吹きつけた冷たい風はその勢いをやや弱め、遠くに春の気配も感じられるようになった「ヨコハマタイヤPRGRレディス」土曜日の昼下がり。諸見里しのぶは「74」「75」の通算5アンダーで静かにホールアウトして、昨年9月の「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」以来、10試合ぶりの予選通過を決めた。

スコアカードを見てみれば2日間で1バーディ6ボギー。この日は1つのバーディも奪えなかったが、「(予選通過は)今の私にはすごく大事」とツアー通算9勝を誇る27歳は、小さな一歩を噛みしめていた。

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昨年はプロ転向後9年目にして初めて賞金ランキング50位を割り込んだ。自身最終戦となった「大王製紙エリエールレディス」を終えると、「“さようなら、ありがとう”という感じでした」と、しばらくゴルフから離れたい衝動に襲われたという。

実際、その年末にゴルフクラブを握ったのは知人とのプライベートラウンドでの1度だけ。12月中旬には、08年から所属契約を結ぶダイキン工業に挨拶に行ったが、成績不振で大看板を背負い続けることに気兼ねもあり、「離れたいという気持ちで会いに行った」とその足取りは重かった。

だが、同社の井上礼之(のりゆき)会長兼CEOの言葉でその気持ちは一変したという。「周りがどう考えるかは関係無い。あなたがゴルフを続ける限り、応援させてくださいね」。諸見里は、「その言葉を聞いて泣いちゃいました」と再び目を潤ませた。

「どんな時でもぶれないことが大事。今日の後半は少し(予選通過を)意識してしまったけど優勝争いでも同じになる。これを続けて明日もしっかりやっていきたいです」。どん底で培った強さの種が、南国土佐の春の息吹に芽を出した。(高知県香南市/今岡涼太)

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