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トップ合格の倉田珠里亜は“横峯さくら一門”

今年の女子プロテストでトップ合格を果たしたのは、レギュラーツアーの優勝経験を持つ大本命の成田美寿々ではなく、20歳で2度目の挑戦の倉田珠里亜だった。首位の成田と2打差の通算4アンダーで最終日を迎えた倉田は、2番、4番とボギーの先行した不安な序盤をグッとこらえ、会心の猛追撃につなげた。

「もうスコアを落とせないと思って、目の前の1打に集中してバーディを獲るつもりで行ったら、気持ちも切り替えられました」と、5番のバーディで息を吹き返すと、7番でもバーディを奪い、スタート時の4アンダーにカムバック。「後半は、スコアのことは気にせずにいいゴルフが出来ました」と、集中力をもう一段高めてバーディを量産した。

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11番で3メートル、13番、15番は7メートルのバーディパットを沈めた。最終18番も3メートルを沈めて1位通過をもぎ取った。トップ合格には、次週から14試合のレギュラーツアー出場資格がついてくる。倉田は「目標とかはまだ無いですね。予選落ちをしないように頑張ります」と謙虚に話した。

その倉田がゴルフを覚えたのは鹿児島での「さくらゴルフアカデミー」だった。小学6年生のときにテレビで横峯さくら姉妹が育ったアカデミーの存在を知ると、それまでゴルフクラブに触れたことも無かったのに、両親を説得し、奈良の自宅から自ら全寮制のアカデミーへ飛び込んだという。

「楽しそうだったし、プロのスポーツ選手になりたくて、ゴルフは長く続けられるスポーツだと聞いたので」と、あっけらかんと当時を振り返る。アカデミーでの生活が中心で中学生活を終えると樟南高校(鹿児島)からお声がかかり、高校卒業まで親元を離れて暮らした。

ツアーで全国を転戦する横峯とは何度か顔を合わせた程度で「頑張ってねと言われたぐらいですかね」。目標とするプロは?という質問には、しばらく悩んだあと「やっぱり、さくらさんですかね。たまに、さくらさんに似ているって言われるんです」と嬉しそうに答えた。

「いつかはさくらさんと優勝争いがしてみたいですね」

レギュラーツアーの出場資格をかみしめ、耳をふわりとくすぐる関西弁のイントネーションで大きな目標を掲げた。(兵庫県三木市/本橋英治)

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