「一生懸命頑張っていれば…」木戸愛は亡き父の言葉を胸に12年349日ぶりの優勝へ
◇国内女子◇資生堂・JAL レディスオープン 3日目(5日)◇戸塚CC西C(神奈川)◇6766yd(パー72)
父の“声”を思い出して涙が出た。「(父は)『一生懸命前向きに頑張っていれば、良い日が来る』って言い続けていた。それを信じて、頑張りたい」。木戸愛は2023年12月11日に他界した元プロレスラーの父・木戸修さんを思い、声を震わせた。
2年が経った今も、「父の言葉が自分の背中を押してくれている。良い報告ができるように」とその存在を身近に感じる。首位タイで最終日を迎える今週は、吉報を届ける絶好のチャンスだ。
大会前の新パター投入が功を奏した。「気分転換」でさまざまなモデルを試し、最終的に「PLD ミルド オスロ 3」に決定。この日は前半2番(パー5)で11mのロングパットを沈めてバーディを奪取。4番で5m、5番(パー3)で9m、8番(パー3)で6mとパットでスコアを伸ばした。6バーディ、1ボギー「67」で回り、通算7アンダー。平均パット数1.86で全体80位だった弱点の克服につながった。
ショットでは、昨季開幕前から師事する尾崎将司に指導された「振り切ること」を常に意識する。「私のテーマなので、やり続けて、良い方向に向かっていると思う」と話す。課題だったパッティングとかみ合ったことが好スコアにつながった。
ツアー初勝利を挙げた2012年「サマンサタバサレディース」以来勝てていない。「12年349日」ぶりの勝利となれば、金田久美子が持つ「11年189日」(11年フジサンケイレディス~22年三菱電機レディス)のツアー最長ブランク優勝記録を更新する。結果が出なかった時期は「やっぱりゴルフが好きなので。そこに向き合ってきた時間は幸せなもの。しっかり、今を頑張りたいな」と乗り越えてきた。「自分のゴルフを一生懸命やりたいというのが一番。思い切り、楽しみたいです」。父の言葉を胸に、一歩ずつ歩いてきた。明日はきっと、“良い日”になる。(横浜市旭区/合田拓斗)