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「今の時代にはそぐわないかも」 上田桃子が歩んだ気合と根性の20年

◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 2日目(15日)◇エリエールGC松山(愛媛)◇6575yd(パー71)◇曇り(観衆1697人)

「こら、泣くな!」――。セレモニーでプレゼントの贈呈役を務めた脇元華が涙を流すと、主役の上田桃子は満面の笑みで“一喝”した。スピーチのためにマイクを握った主役が声を震わせる前に、何人もの選手が泣いていた。

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20年間のプロ生活で残してきたものの大きさを示す光景は、感動的なセッションが終わった後にも。プレゼントのひとつでもあった上田の写真入りTシャツを着た選手たちは一緒に記念撮影をせがみ、サインをねだった。「あまりお手本になるような選手ではないと、自分では思っていた」。会見ではそう言って謙遜(けんそん)した38歳を、みんなリスペクトしていた。

7月に死去したプロゴルファー坂田信弘さんが主宰する坂田塾で腕を磨き、高校卒業を前に江連忠氏の門下生となった。現在のコーチである辻村明志氏とのタッグは2014年から。「本当にコーチに恵まれて、パッション(情熱)のある方々ばかり。その中でも、技術だけじゃない、大事なものっていうのは最初に坂田プロから教わった。最後までそれを持ち続けられて良かったなって思います」

ストイックに技を突き詰めた20年間を振り返りながら、改めて心の重要性を説く。「今の選手は、本当にうまい選手がたくさんいる。私が『もっとこうしたら…』なんてアドバイスはなかなかできないですけど…」と控えめに切り出しながら、少しずつ口調が熱を帯びた。

「気合とか根性とか、今の時代にはそぐわないかもしれないけど、私は少なからず、それで戦ってきて、20年頑張れた。みんなが長くやりたいかは分からないけど、後輩たちがそう思って(リスペクトして)くれているのは、私が長くやれたからという部分も大きいと思う。時代とは逆行して、やっぱり最後に『気持ち』は大事なんじゃないかなって思います」

太く長く輝いた20年間の原点に感謝し、メッセージに魂を込めた。師匠譲りの情熱は、これからツアーを背負っていく選手たちに受け継がれていく。(愛媛県松山市/亀山泰宏)

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