スコアが子どもの価値じゃない 宮里藍さんがジュニアゴルファーの親に伝えたいこと
「トライ&エラーを繰り返している」 宮里藍さんの目に映る米ツアー日本勢の活躍
女子ジュニアゴルファーが出場する第5回「宮里藍インビテーショナルSupported by SUNTORY」(6384yd/パー72)の最終日が14日、PGMゴルフリゾート沖縄で行われた。
2日間36ホールのストロークプレーで争われ、2年連続2度目の出場の吉崎マーナ(17歳/沖縄カトリック高2年)が通算3アンダーで初優勝をあげた。「実感がわかないけど、もっともっと上を目指してがんばっていきたい。世界で勝てるプロを目指したい」。副賞で憧れでもある宮里藍さんとのエキシビションラウンドの権利を手にした。
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また、トップ5の選手に来年の国内女子ツアー「宮里藍 サントリーレディス」主催者推薦選考会の出場資格が与えられた。
そんな海外志向の強いジュニアたちが目指す米国女子ツアーで、日本勢の活躍が目覚ましい今シーズン。前週の「ビュイックLPGA上海」でも西郷真央が優勝争いを演じたほか、笹生優花が6月「全米女子オープン」を、古江彩佳が7月「エビアン選手権」を制してメジャー2勝を挙げた。
2010年に世界ランキング1位となった米ツアー“先駆者”の一人でもある宮里さんは、「とても素晴らしい。個人レベルの話になるけど、私自身は米国に行きたい思いがあり、米国でやっていたこともあって、世界に出るのは良いことだなと思っています」と話した。また「日本ツアーで4日間大会が増えたのもある。ギアの進化もすごいですし。飛ばす選手も多い」と分析する。
国内ツアー年間ポイントレース1位の竹田麗央、2位の山下美夢有らが来季の米女子ツアー参戦に向けて最終予選会(12月5~9日/アラバマ州・マグノリアグローブGC)出場を表明している。予選会の結果次第では来季15人前後の日本勢が米ツアーをにぎわす可能性がある。
宮里さんも2005年の予選会を突破し、06年から米ツアーに参戦した当時は、東尾理子、諸見里しのぶ、大山志保ら日本勢は数えるほどだった。「海外で使える携帯も限定されていたし、スタートラインが全然違う。私たちの頃は(情報も)雑誌を見るとかだった」。インターネットも普及し始めてはいたが、スマートフォンなどの登場前だった。
同じサントリーに所属する渋野日向子、馬場咲希も気になる存在だ。渋野は故障に苦しみながらも「全米女子オープン」で2位。馬場も3月から米下部エプソンツアー全19戦中18戦に出場した。来季のレギュラーツアー昇格こそ逃したが、優勝争いに加わる大会もあった。
「トライ&エラーを繰り返しているなと思うし、すごく必要なこと。何かをアジャストするためにはトライし続ける必要がある。エラーを繰り返して自分に必要なものを(残して)、削ぎ落としていく。ずっと継続することが必要。その中で楽しんでやってくれていたらいいな」とかわいい後輩たちにエールを送った。
大会には中学1年生から高校2年生までの35人のジュニアゴルファーが参加。「可能性のある選手に会えてうれしい」と表彰式では出場選手1人ずつと記念撮影した。154cmと小柄ながら米ツアー9勝を重ねたその手で、力強く握手をして大会を締めくくった。(編集部・玉木充)
<大会上位の成績>
1/-3/吉崎マーナ
2/-2/伊藤美輝
3/0/井上蒼海奈(アミナ)
4/1/中嶋月葉(ツキハ)
5/2/田村萌来美(モナミ)