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「もうゴルフは無理かも」木村怜衣は日常生活おびやかす腰痛からプロテスト合格

2023年度のプロテストに21人の選手が合格した。会場には夢への道を切り拓いたことに、うれし泣きした選手も多くいた。24歳の木村怜衣(きむら・れい)も「もうゴルフは無理かも」と心が折れかけた時期を思い返し、涙ぐんだ一人だ。

稲見萌寧と同世代の1999年10月生まれで、ゴルフは8歳の時に始めた。宮城県仙台市出身で、中学卒業後は宮里藍有村智恵らを輩出した東北高に進学。名だたる先輩たちと同じプロの世界を目指してきたが、近年は腰痛と向き合ってきた。

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「スイングをすればするほど痛くなりだして。椎間板ヘルニアですね。朝起きたらベッドから起き上がれないんじゃないかとか、ゴルフはあきらめるにしても、もう日常生活は送れないのでは、という不安がありました」

故障が深刻になったのは3年前。「坐骨神経痛の“ひどい版”というか。しびれと、お尻に針が刺されたような」痛みが患部に走り始めた。昨年のプロテスト前が最もひどかったという。「去年の10月は座薬を入れてやっていて、もう、『うつ伏せで寝ていたい』って。歩けなかった」。なんとか気持ちだけを切らさず、“だましだまし”でプレーしていた。

「練習もできないし、心も病みます。2年前よりひどくなっていて、“いよいよだな”という感じがあった」。注射を打つことで椎間板を小さくさせる治療に踏み切った。宮城在住の北田瑠衣を通じて知り合った青山充コーチの助言が大きかったという。「まずは体を治すことから、と。ちょうど去年の一次のプロテストに落ちたあたりから組むようになった。コーチに出会えたことが今回の結果につながった」。二人三脚で歩んでくれた恩師に感謝の思いを込めた。

現在は腰の痛みとは無縁と話す。「コーチも、そのコーチを紹介してくださった北田瑠衣ご夫妻、なによりゴルフをあきらめないようにしてくれた両親に感謝です」。来季の戦いの場がかかる予選会(QT)が次の照準。1Wで平均250ydを飛ばすパワーヒッターは「飛距離を生かしたゴルフ」を売りにして活躍を目指す。(岡山県笠岡市/石井操)

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