横峯さくら冠大会 17歳のアマ左奈々が初代覇者
「母は強し」 “産休明け”の宮里美香が6人のママと復帰戦
◇ツアー外女子競技◇PLEIADES CUP 横峯さくらDREAMGOLFLADIES 2023(14日)◇福岡雷山ゴルフ倶楽部(福岡)◇6425yd(パー72)
プレーを終えた宮里美香が会場に用意された託児所に足を向けると、息子が『待ってました!』とばかりの笑顔で出迎えてくれた。「プレーが終わってすぐに会えるのはうれしい」と、クタクタなはずの体に力が戻った。
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昨年12月に第一子を出産し、復帰戦に選んだのは横峯さくらがアンバサダーを務める一日競技。昨年5月「ブリヂストンレディス」以来の試合は不安もあったが、「色々な発見もあって、練習と違う雰囲気もまた味わえた。ちょっと自信になるかなと思いました」。3アンダー3位という結果に「フフフ」と笑顔がこぼれた。
九州の若手ゴルファー育成を目的に作られた今大会は、横峯の意向で「ママさんゴルファーにも集中してプレーしてもらいたい」という2つ目のテーマも設定されていた。横峯と宮里のほか5人の出場選手が託児所を利用。池内真梨藻・絵梨藻の双子姉妹に、一ノ瀬優希、大江香織、若林舞衣子。気づけばプロゴルフ界のママ友はこんなに増えた。
「自分たちもそういう年代になったんだなって。練習ラウンドは“どんな出産でした?”とか、めっちゃ盛り上がっていました。すごく楽しかったです」と宮里。ラウンド中にこんな話をする日が来たことが、ちょっと不思議だった。
試合後には、横峯と一緒にジュニアゴルファーとの座談会にも参加した。「実際に出産と子育てを経験していて、どうジュニア育成に取り組んでいくのがベストなのか、勉強するところがあると思う。どういう風に取り組むかは、私たちの課題でもあると思います」と、下の世代を見る目線も少し変わった。
来年には、ツアープロとしてのキャリアも再開する予定で準備している。「一応来年を目標にしているので、少しずつギアを上げていかないと」と、出産前の体型を目安にトレーニングに励む日々。その中での今大会は自信にもつながった。「母は強し、というのがより一層強くなりました」と話す33歳の宮里の隣で、37歳の横峯が大きくうなずいた。(福岡県糸島市/谷口愛純)