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「ビビッてないで! 壁ドンよ!」 藤本麻子が“自分のファン”とツアー史上最長ブランクVに挑戦

◇国内女子◇資生堂レディスオープン 2日目(30日)◇戸塚CC西コース(神奈川)◇6605yd(パー72)◇曇り(観衆4386人)

驚きの一言だった。「今週優勝しますよ!」。大会初日のスタートホール、初対面の女性ハウスキャディが開口一番、自分に向かって言ってきた。意外な気がした藤本麻子は「あ、頑張ります」と、気圧されたように返事をした。今となれば、このやり取りは形だけの挨拶ではなかったのかもしれない。

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前週「アース・モンダミンカップ」でパットが決まらず、悪いイメージで迎えた今大会で自信を持ってパッティングができている。キャディが強気に背中を押してくれるおかげだ。「ラインもテキパキ教えてくれるし、横についたときは基本的に私より薄めに読んでくれるから強気に打てる。もう任せっきりで、『どこ打ったらいい?』みたいな(笑)」

初日の8番でバーディパットがショートした時には、「もう、ビビッてないで! 壁ドンだよ!」とハッパをかけられた。言われたとおり強めに打ってパーセーブ。「ヨシ!」と喜ぶキャディの声が聞こえた。

1アンダー15位から出たこの日は、前半3、4番で2.5m、7番(パー5)で1.5m、13番(パー5)で6mのチャンスを決めて無傷の「68」。通算5アンダーで首位と2打差の3位に浮上した。

強気なハウスキャディは竹内直子さん。今回、帯同キャディの都合がつかなかった藤本と組んだのは偶然…ではない。竹内さんは2011年、戸塚CC開催の男子ツアー「キヤノンオープン」で久保谷健一の優勝をサポートした52歳のベテランで、実は「藤本さんのファンでした」と明かした。「トーナメントとかインスタで見て『カッコいいな~』と思っていて。今回、帯同キャディがいないことがわかって、立候補したんです」

藤本が「言いにくいこともズバッと言ってくれる」と竹内さんの物腰に驚いたのは、自分が今年で33歳になったことも関係している。「ルーキーとかだと言いやすいのかもしれないけど、もう歳も歳だし、(キャディも)選手に任せるっていうのが多いなか、ここ最近ない感じだった。新鮮です」と何とも楽しそうだ。

ツアー初優勝を飾った2011年「伊藤園レディス」から勝っていない。今大会で勝てば、昨年「樋口久子 三菱電機レディス」で金田久美子が飾った「11年189日」ぶりを抜く、ツアー史上最長のブランク優勝になる。夢物語なのか? いや、竹内さんとなら、やれるかもしれない。(横浜市旭区/合田拓斗)

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