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山下美夢有は泣いた 父の日の優勝が「本当にうれしい」

◇国内女子◇ニチレイレディス 最終日(18日)◇袖ヶ浦CC新袖コース(千葉)◇6621yd(パー72)◇曇り時々晴れ(観衆4778人)

18番グリーンで優勝スピーチに詰まった。「父の日」に勝ったのに、感謝を伝えたいのにうまくしゃべれない。山下美夢有の頬を涙がつたった。

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ジュニア時代、ミスショットのイライラを抑えきれずに、帯同してくれたハウスキャディに当たってしまった。それを見た父・勝臣さんに「これまでで一番怒られた」という。「技術のことよりマナーとか礼儀を大切にしろと、父も母も言ってくれる」。スタート前とホールアウト後に行うコースへの“一礼”も、幼い頃からの習慣だ。

練習場に行くときは、仕事終わりでも勝臣さんが必ずついてきてくれた。日付が変わるまで練習しても、最後まで見守ってくれた。「そういう思いもあってこうして優勝することができて本当にうれしい」と満面の笑顔で話した。

昨年5月の国内メジャー「ワールドレディスチャンピオンシップ」での“母の日V”に続き、“父の日V”を達成した。「小さい時は父の日のことを考えていなかったし、ありがとうと伝えるくらい。でも、プロになってからも一人でできるスポーツではないし、いろんな方に支えられないとできない。(父は)いつも仕事しているけど、ゴルフを教えてくれたり、支えてくれている」と感謝の言葉がしきりに口をついた。

今週、2日目から会場でプレーを見守っていた勝臣さんは、毎朝、ドライビングレンジで娘のスイングチェックを行い、熱心にアドバイスを送った。勝臣さんは「バックスイングがインサイドに上がっていたので、もうちょっとアウトサイドに上げさせた。インに上げてアウトから下りてきていたので、スイングプレーンと反対になっていた。初日はパターが入っていたからスコアになっていたけど…」と話す。技術面でも献身的にサポートした。

涙ながらの優勝スピーチに「口だけなんか分からん」とぶっきらぼうだったのは、きっと照れ隠しだ。「きょうがたまたま父の日だっただけです。優勝した人も、しなかった人もお父さんに感謝していると思う。特に優勝したからどうとかはないです。父の日だけじゃなく、毎週優勝してほしいです」と話したが、ときおりこぼす白い歯が、娘からのプレゼントを喜んでいる証だった。(千葉市若葉区/内山孝志朗)

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