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激闘の中で見つけた“伸びしろ” 吉田優利がメジャー初Vで泣かなかったワケ

◇国内女子◇RKB×三井松島レディス 事前(11日)◇福岡CC 和白コース(福岡県)◇6299yd(パー72)

前週「ワールドレディスサロンパスカップ」での歓喜から一夜明けた8日(月)、吉田優利はいつも通り朝から辻村明志コーチのもとへ練習に出かけた。2年ぶりの優勝が初の国内メジャータイトルでも、「自分の中では特に何も変わらない」。昼にトレーニングを挟み、午後は美容院へ向かった。「いつもと同じ色で暗く染めて。4週間に一回のペースが、ちょうどその週だったので」と笑うほど変わらない日常を過ごした。

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親交のある福岡ソフトバンクホークス会長の王貞治さんから届いた祝福のメッセージに「私が変わるきっかけを作ってくださった方。教えていただいたことを結果で表せた試合だった」と胸は熱くなったが、改めて戦いを振り返ってターニングポイントに挙げたのは、ひとつのミスショットだった。

バーディを奪った最終日の後半12番(パー5)。7番アイアンで刻んだ一打は「スイングが最悪。体とクラブのリズム、軌道もバラバラ。小細工をして、かろうじてフェアウェイに持っていった」と気持ち悪さばかりが残った。「あのショットのままだったら、どんどん崩れていくのは目に見えていた」という言葉が現実とならなかったのは、ミスを踏まえて次のホールから即座に修正をかけることができたからだ。

「その(ミス)ショットのおかげと言っても過言じゃない。極限状態の中、18番に(近く)なるにつれて無駄を省けたスイングに(状態が)上がっていった気がします」と胸を張りつつ、「欲を言えば、あのショットさえしたくない。でも、そこはまだ伸びしろ。自分がもっとうまくなれる部分と前向きに捉えたい」。もっと上を目指したいというモチベーションがどんどん湧いてくる分、頂点に立った瞬間も涙が出なかったのだという。

「優勝争いをしながらベストを尽くすこと」。福岡に舞台を移す今週も、背筋を伸ばして変わらぬ目標を見据えた。(福岡市東区/亀山泰宏)

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