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携帯オフで情報遮断 11年ぶりVの藤田さいき「良いゴルファーになってきた」

◇国内女子◇大王製紙エリエールレディスオープン 最終日(20日)◇エリエールGC松山(愛媛県)◇6575yd(パー71)

「とても長かった11年。一言で言い表せないですが、素直にうれしい」

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最終18番、優勝を決める1.2mのパーパットを沈めると思わず、しゃがみ込んだ。ボギーなしの4バーディ「67」でプレーし、通算21アンダー。11年ぶりツアー6勝目の重圧に競り勝ち、藤田さいきがうれし涙を流した。

首位の鈴木愛を1打差で追ってスタート。前半で2つバーディを奪い、13番は140ydから8Iで5mにつけてバーディ。15番では鈴木がバーディを奪い、通算20アンダーで並ばれたが、5mのバーディパットを沈めて突き放した。「愛ちゃんが良いゴルフするなら、私も頑張ろうと。ただそれだけです」と振り返った。

前日の夜は携帯の電源を切って情報を遮断した。「みなさんが素敵な記事を書いてくれるので、見て喜んだりするんですが、今回は何も見ないでゴルフのことだけを考えて寝ました」とラスト18ホールに集中した。

課題も克服した。6月「宮里藍サントリーレディス」では3打差首位で最終日を迎えるも、プレッシャーで食事も喉を通らずに吐いてばかり。顔も青ざめていた。トレーナーも務める夫の藤田和晃(かずあき)さん(37歳)は「優勝するにはどうすればいいのか毎日考えていた。険しくて高い壁だった」と喜びをかみ締めた。

夫のサポートに妻は「私ができる限りゴルフに集中できる環境を作ってくれた。前向きなことしか言わないので、辛くなったときも一番近いところで支えてくれた。ほんとに感謝」と涙を流した。

「ゴルフ的にもメンタル的にも良いゴルファーになってきた」。若手の活躍が目立つ国内女子ゴルフ界だが、36歳のベテランが大きな存在感を示した。(愛媛県松山市/玉木充)

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