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「ワタシが上位にいないと」河本結の自己暗示 きょうだいの力で復活へ

◇国内女子◇リゾートトラストレディス 3日目(28日)◇メイプルポイントGC (山梨)◇6580yd(パー72)

午前3時起きのツラい朝だってプラスに捉えた。「アメリカでもこういう経験はあった。4日間やれることに感謝しながら回れた」。第2ラウンドの未消化分9ホールを9時過ぎに終え、直後の第3ラウンドは出だし1番(パー5)でいきなりイーグル。残り220ydを5Wでピンそば5mにつけた2打目が今季自己ベスト「66」の呼び水になった。「自分のゴルフを取り戻せてきた」。河本結はそう“今”をかみ締める。

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2020年から参戦した米ツアーから撤退し、国内ツアー復帰戦となったのが昨年の本大会だった。思い返せば、この1年は苦しいシーンばかり。帰国後のトップ10入りは1度だけ。前半戦の出場権を握りしめて臨んだ今シーズンも、開幕から7試合で予選落ちが5回。持ち味のショットの不振から抜け出せなくなった。

「ワタシ、このままじゃ終わる」。迷路で助けを求めたのは実の弟。1歳下の河本力にアドバイスをもらうようになった。身体の動き、スイングの表現は細かいニュアンスの意思疎通が肝心。「感覚の共通言語が似ている。ずっと一緒にやってきたから」。復活への兆しを感じた一方で、昨年末にプロ転向したばかりの弟の成長を、姉として密かに感じてもいた。「うれしかった。大きくなったなあって。刺激をもらいました」

「インパクトゾーンを長く、フォローを小さく」――というテーマをひとつ掲げてスイング修正に取り組み、フェードに加えてドローも納得のいく球筋が増えてきた。その一打、一打の積み重ねが、失った自信を取り戻していく。計27ホールを回ったムービングデーを終えて通算10アンダー。首位との差は6打あるとはいえ、4位で最終日を迎えられる。

「『ワタシが上位にいないと盛り上がらないでしょう』という気持ちでいる」と胸を張って言った。一見、鼻持ちならない言葉も、サバイバルを勝ち抜くためのテクニック。「自己中心的だとしても『自分が一番だ』と自分を洗脳している」。ツアー2勝目に向けて、今はまだ「自信はないです。実績がないですから」というのが本音だ。「でも、自分を洗脳してやりたい。怖いものも、失うものもないので」。懸命にリーダーボードの最上段に視線をやった。(山梨県上野原市/桂川洋一)

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