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「ずっと怖かった」 林菜乃子が予選通過に涙したワケ

◇国内女子メジャー◇ワールドレディスサロンパスカップ 2日目(5日)◇茨城GC西コース◇6680yd(パー72)

第2ラウンドを予選通過圏内の通算3オーバーで終えると、「この後、練習します!」とバッグを担いでくれた師匠に向かって元気に答えた。本当はこのとき、涙をこらえるのに必死だった。

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昨季賞金ランク53位の“準シード”林菜乃子にとって、今週は一大決戦。7月「ニッポンハムレディス」終了後にメルセデス・ポイントランクで出場優先順位を入れ替える第1回リランキング突破を目指す上で、ポイント配分の高い公式戦(3日間競技の2倍を付与)は勝負どころ。師匠の芹澤信雄に帯同キャディとしてサポートしてもらっているのが、その証拠だ。

ここまで予選通過は3月「Tポイント×ENEOS ゴルフ」(15位)だけだった。シードを獲りたい、優勝したい、うまくなりたい―。焦りから練習でできたことが試合でできず、スイングもどんどん崩れていく。「予選落ちが続くと、パッティングも怖くて手が動かない。もう、どうしたいいか分からなくなった」とドツボにはまっていくようだった。

「ここできっかけをつかめなかったら、もうダメだと思っていた」。30位で初日を終えたが、予選通過がかかる2日目になった途端にプレーが守りに入って空回り。ショットが少しでも曲がると、すぐに悪いイメージが浮かんで手が止まる。

前半で4ボギーをたたいて後退。隣を歩く師匠に一喝された。「予選を通りたいなんて(守りに入るなら)、オレが来た意味がないじゃないか!練習場でやっていることをコースで思い切ってやれよ」。気持ちを奮い立たせ、後半は1mにつけたバーディを2つ獲って「75」でフィニッシュ。「ベタピンのバーディが2個だけは残念だったけどね」と辛口だった芹澤も、内心は予選通過を喜んでいた。

師匠の姿が見えなくなると、林の目から涙がこぼれた。「ずっと怖かったけど、あしたからは久しぶりに楽にゴルフができると思います」。こんなにホッとした予選通過はほかにない。「それに…芹澤プロを2日間で帰すわけにはいかないので」。せっかく1週間スケジュールを空けてきてくれた師匠を、手ぶらで帰さずに済んだ。(茨城県つくばみらい市/谷口愛純)

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