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上田桃子の50回目の挑戦 目指すは“母に捧げない”メジャー初制覇

◇国内女子メジャー◇ワールドレディスサロンパスカップ 事前(3日)◇茨城GC西コース◇6680yd(パー72)

2011年5月8日(日)、「母の日に捧げる一打で、どう?」とキャディに言われて打った18番の2打目は、ビタッとバーディチャンスについた。グリーンそばで見ていた母はバーディを喜んでくれたが、上田桃子のメジャー初制覇はまた達成されなかった。

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11年大会では単独首位で最終日に入ったが、前半で3ボギーをたたいてトップから陥落。「今年もメジャー、勝てなかった…」と優勝の可能性が消えた終盤は、気持ちがほとんど折れていた。「その中でキャディさんのあの一言はうれしかったですし、悔しさの中でも小さな喜びを見つけられた一打だった」。メジャータイトルに届かない悔しさが募ると同時に、「まだ、捨てたもんじゃない」と思えた瞬間だった。

あれから11年。悲願のビッグタイトルにはまだ届いていない。いつしか“勝ちたい”から、“勝たなきゃいけない”に変わった目標は焦りも生む。「メジャーにこだわらなくてもいい」と遠ざけた時期もあった。今思えば「そこにチャレンジしない弱さもあった」と振り返るが、オフの間に自分と向き合うことで、再び取り戻したのは「勝ちたい」という闘争心。メジャー出場50回目を迎えるタイミングで戻って来たのは、2011年と同じ茨城GC西コースだ。

「改めて、自分への挑戦だと思います。ここで勝てたら“この時のためだったのか”と思えるかもしれない」と笑う。11年前に最終ホールで母に捧げた一打は、悔しさの他にいいイメージを残してくれた。ただ、今度こそ惜敗のワンショットにはしたくない。

今年も最終日が母の日と重なった。プレゼントには別のものを準備している。「バチバチに優勝を意識しています」と言い切る今年は、最後の一打まで自分のために戦うつもりだ。(茨城県つくばみらい市/谷口愛純)

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