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「泥沼から抜け出せた」 鈴木愛の心を変えた上田桃子の1勝

◇国内女子◇資生堂レディスオープン 最終日(4日)◇戸塚CC(神奈川県)◇6570yd(パー72)

27歳の鈴木愛はプロ転向してから、今年で8年目となる。一心不乱に勝利を積み重ね、2017年と19年の2度にわたって戴冠した賞金女王は「なんとなく、すぐに勝てるんじゃないかと思っていた」と抱えていた思いを吐露した。

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新型コロナウイルスによって世界が一変した2020年。女子ツアーは6月「アース・モンダミンカップ」で幕を開けた。2年連続の賞金女王に向けて注目を浴びながら優勝争いに加わったが、渡邉彩香とのプレーオフに敗れて2位。同年は優勝を挙げることなく2021年に突入し、「今年に入ってからも早い段階で勝てるかなというのはちょっと感じていた」と、どこかに自分への期待がくすぶっていた。

しかし、思いとは裏腹に結果は得られず時は流れていく。「良いゴルフと言えるのも以前よりかなり減っていた。自信がなかったからスコアボードもあまり見られなかったし、今までは『絶対に勝ってやる』という感じで前の日から臨んでいたけど(今回は)自信がなかった」。以前なら見えていた光景だからこそ、見えなくなったときの反動は大きかった。

「もちろん実力不足ではあるけど、『何をどう直せばうまくいくだろう』とか『何が足りないんだろう』とか本当に分からなくなった」

ショットをする際に自分では真っすぐに向いているつもりのアドレスが、バッグを預けるキャディらからは「どこ向いているの?」と言われた。ほかの選手にも相談し、日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長にも話を聞いてもらった。

4月「パナソニックオープンレディース」で、35歳の誕生日を前に上田桃子が2年ぶりの勝利を遂げた。大会が開幕する前に、クラブハウス内のレストランで一緒に食事をしたという鈴木は「普通に会話をしていたけど、優勝してネットの記事を見たら桃子さんもめっちゃ苦しんでいたというのを見て『私と一緒や』ってなった」と驚いたという。

「それまでは『優勝できないわ』『私だけうまくいかないわ』っていうのがすごくあったけど、桃子さんでさえこんなことを思うんだから私なんてもっと頑張んなきゃだめだなと思った。それが私の何かを変えた出来事のひとつ。桃子さんが勝ってくれたから、私も頑張らなきゃとすごく思えた」

「プロになってから結構うまくとんとん拍子だったのでこういう時期もあると思うし、今の(活躍する)若い子たちも何年後かにはこういう状況に絶対になる。それぞれ選手に波はある。今をどう乗り切ってやろうかなという感じ」とポジティブな感情が沸きだした。

喉から手が出るほど欲しかったものを手にし、「やっと泥沼から抜け出せたなという感じがすごく強いです」と顔を上げた。「この1勝で何か気持ち的にも変わったかなと思うし、新しい道は開けたかなという感じはしました」。苦難を乗り越えた先に乗れる波がある。(横浜市旭区/石井操)

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2021年 資生堂レディスオープン



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