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「ゴルフをやめようかと本当に考えた」復活V鈴木愛が涙に込めた思い

◇国内女子◇資生堂レディスオープン 最終日(4日)◇戸塚CC(神奈川県)◇6570yd(パー72)

2017年、19年賞金女王、鈴木愛がツアー17勝目を飾った。19年の最後の優勝から596日。優勝インタビューでは開口一番、「長かったなと思います」と涙を流した。「味わったことがないくらい毎日苦しくて、ゴルフをやめようかと本当に考えて、今年も苦しくて練習をやってもうまくいかない。長い道のりだと思いました」

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14年「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」の初優勝から、16年2勝、17年2勝、18年4勝、19年に7勝と勝利を積み上げてきた。それが2020年に入ってから2位で終えた試合はあるものの優勝から遠ざかった。「ゴルフのことを考えると本当につらくて、人のプレーも見られなくなった。トップの選手と自分のプレーを見比べるのが怖かった。落ちこぼれた自分を考えるのが怖かった」

練習の虫として知られる鈴木。周囲から「練習のしすぎだよ」、「休みなよ」と言われたこともある。だが、「自分も『何をどうしたらいいんだろう』と答えが見つからなさすぎて迷走していました。でもうまくいかないし、うまくなるには練習しかない。黙ってうまくなるわけがない」。悩みながら走り続けてきた。

トップと1打差で迎えた終盤16番(パー5)で残り97ydからの3打目がカップイン。イーグルを奪って10アンダーとしてトップに抜け出した。「19年とかだったら『自分の日』とか思っていたかもしれないけど、あまりにも勝ってなさすぎて絶対にまだだって。もう1個バーディを獲らないと勝てないと気を抜かずにいた」

パットの名手が「パットが入らない」と空回りしていたが、そんななかで優勝をつかむことができたのは「友達が横にいてくれた」から。中学時代からの友人という同い年の飛田愛理さんにバッグを預けたことが大きかったという。

出会いは「忘れちゃった」としつつも、家に泊まる仲でラウンド中は昔話に花を咲かせた。さらに自分のゴルフで悩む鈴木に対し、飛田さんはプロテスト合格に向けて取り組んでいることもあって、2人で互いに励まし合ったという。「帯同キャディさんだと気にしなくてもいいことも頭に入れたりしていて、友達だったからこそ何も考えずにできたのかな」と旧友とつかんだ1勝に笑顔を見せた。

「久しぶりに勝てた。(シーズンが始まったころは)5勝って言って、今も獲りたい気持ちはあるけど、(今シーズン中に)あと最低でも1勝はしたい」。引退するまでに永久シード獲得となる30勝の目標も公言。「強い鈴木愛」が戻ってきた。(横浜市旭区/石井操)

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