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「QTも覚悟」けがに苦しむ大山志保が21年初戦

◇国内女子◇リゾートトラストレディス 事前情報◇セントクリークGC (愛知)◇6605yd(パー72)

2021年に入って13戦目を迎える中、シード選手の大山志保は今年ようやく初出場にこぎつけた。開幕2日前の25日に1ラウンド、前日26日は練習場で調整しただけ。「1ラウンドしたのも、昨年の『大王製紙エリエールレディスオープン』以降では昨日が初めてでした」。いったい何があったのか。話を始めると、笑顔の中に涙も見せた。

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2020年12月、大山は年内の試合を終えた後、ゴルフとは関係なく「左首を痛めた」と休養を余儀なくされた。痛みが引いて年明けてから仕切り直そうとした矢先、今度は「左の鎖骨が痛み始めた」という。徐々に痛みは増して「だんだん左鎖骨から左腕と力が入らなくなって、これはもしかしたら病気かもって。クラブも全然振れないし、お茶碗も重く感じた。力が入らなくて、顔も髪も洗うのが大変だった」と振り返る。

実家のある宮崎の病院を3カ所ほど訪ねて診てもらい、原因を探った。「胸郭出口(きょうかくでぐち)症候群じゃないかって」。神経が圧迫されて肩や腕などに痛みが生じることをインターネットで調べた。一ノ瀬優希も同じ症状になったことがあると知って「どうやって治ったの」と聞き、医師を紹介してもらって治療とリハビリに励んだ。

ただ、それだけでは終わらなかった。宮崎滞在中に「バンカーで右足首を捻挫してしまった」という。その時は特に痛みはなかったが、「3月末にショット練習を始めたらすごく痛くなり始めた」。拠点を東京に移し4月の「ヤマハレディースオープン葛城」でツアー復帰を目指していたが、断念した。さらに落ち着いていた左側の痛みも再発した。「一日でも早く戻りたいという気持ちでいっぱいだった」と苦しんだ。

「2月、3月は気持ちの面ですごく苦しい時期があった。自分ひとりでは乗り越えられないと思った。戻って来ることができて本当に良かったです」と涙ぐみながら、半年間を振り返った。

いまも、長いクラブを振ると「右足首が気になる」という。左側の痛みも「良くなってきたけど、いつ痛みが出るか分からない」と不安を募らせる。それでも9月「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」終了後に行われるリシャッフルもあり、「試合数もギリギリ。これから5連戦とか続くけど、やれるだけやる。QT(予選会)も覚悟している」と今後を見据えた。(愛知県豊田市/石井操)

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