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21歳でゴルフ歴18年の五月女栞雛、祖父に誓う「絶対合格」

新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期された日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)の2020年度プロテストは、4月2日で1次予選の全日程を終え、5月に2次、6月に最終を控える。未曽有の事態の中、今回も多くの選手が合格率「3.3%」ともされる狭き門に挑戦している。彼女たちは何を思い、クラブを握ってきたのか? その素顔に迫る。

■練習場を閉じた祖父が、自宅に「個人練習場」を作って支援

福島会場(五浦庭園CC)での1次予選第1日。21歳の五月女栞雛(そうとめ・しひな)は、「不思議な感覚」でプレーしていた。風が吹き荒れ、スタートから強烈なアゲンスト。頭の中では、「今回も風に負けるボールを打つのか…」と思いつつ、第1打は低い軌道で風の下を潜り抜けた。「『えっ』という感じでした。ずっと低い球のショットが苦手だったのに、無意識に体が反応して打てていました。その感覚で18ホールを回れたのですが、自然に身についているものがあったのかなと思います」

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第1日は4オーバーの「76」で12位。最終的には、通算16オーバーの22位タイで1次を通過した。今回は、最終まで進んだ18年度、2次で不通過だった19年度に続き3回目の挑戦だが、テストに対しての「思い」も変わってきた。

「高校卒業1年目で最終まで進んだ1回目は、それで満足でした。2回目は調子が悪いままに終わったので、悔しさはありませんでした。でも、今回は絶対に合格したいです。この1年半でいろんな変化があったので」

五月女は3歳からゴルフを始めた。練習場を経営する祖父に手ほどきを受け、中学、高校でも部活に入らず、個人での練習を重ねた。だが、昨年6月に、その練習場が閉鎖された。「近くに工場が建つことが理由だと聞いています。祖父の寂しそうな顔が忘れられません」

その後、祖父が自宅敷地内に個人練習場を作り、弾道計測、解析が可能な弾道測定機を設置。孫の五月女を後押しするためで、試合になれば、会場まで送迎してくれる。「車の運転は母もしてくれるのですが、家族には感謝してもしきれません。よく『自分はゴルフに向かない。嫌だ』と思いますが、すぐに『やるしかない』という気持ちになります。とにかく恩返しをしたいので」

「変化」は、自身の内面にも起こっている。極度の人見知りだったが、昨年3月から「DSPE」(ツアープロを目指す女子ゴルファーを支援する団体)月例競技会に参加し、同じ目標を持った仲間と交流するようになった。「私は同伴競技者と全く話さなくても大丈夫ですが、メンバーとは打ち解け、ゴルフ以外の話もできるようになりました。そういう意味でも『成長の場』になっています」

■トレーニングの組み合わせで、ドライバー飛距離35ydアップ

19年から出演しているゴルフ番組「ゴルフサバイバル」(BS日テレ)では、涙を流したこともあった。「アドレスが決まらなくて、打つのが怖くなり、緊張で体が動かなくなりました。泣いたのは、終わってホッとした気持ちが大きかったからです。また、別の回では初めて『負けて、悔しい』という思いが湧いてきました。テストに落ちても、『仕方ない』としか思えなかったのに…」

番組内で露呈した飛距離不足も、トレーニングの組み合わせでクリアした。「可動域を広めながら、筋力もつけるトレーニングを毎日やっています。体幹トレもやりつつ、『体を大きくする』ために、肉、炭水化物を多くとるようにしていいます。大好きだったお菓子はひかえ、代わりにプロテインクッキーなどを食べています」

結果、ドライバー飛距離は205ydから240ydに急伸し、2次でエントリーした茨城会場(ザ・ロイヤルGC)で行った練習ラウンドでも手応えを得た。「このコースで受験した前回の2次とは違う攻め方ができました。やってきたことは、間違っていないと思いました」

茨城会場での2次は、5月18~21日。「変化と成長」を遂げた五月女が「覚悟と自信」を胸に臨む。

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