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笠りつ子は感謝とともに「ゴルフができるのも当たり前じゃない」

◇国内女子◇KKT杯バンテリンレディスオープン 初日(16日)◇熊本空港CC(熊本県)◇6501yd(パー72)

ギャラリーのいないコース内に歓声がこだました。「入ったー!!」とかん高い声の主は笠りつ子。2番ホール(パー4)で2打目を直接沈めるイーグルを奪い、初日を4アンダー「68」で終えて4位とした。

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2打目は残り144yd。フェアウェイ中央にある木の右側からフックを打とうと8Iを握り、葉っぱに当たりながらもピン手前に落下すると、スルスル転がってカップイン。「ちょっと(葉っぱに)当たったけど、悪いショットじゃなかった」と両手を挙げて喜んだ。

地元・熊本出身で、2013年大会では1打差の2位に入った。「地元に帰ってきた感じがあるし、小さいときからここでやらせてもらっているけど、毎回難しい。戦略性があってコースに勝てないこともあったので、コースに勝ちたい思いはあります」と力を込めた。

陽気でハキハキした言動にも、複雑な思いが寄り添っている。16年に熊本地震が発生し、2017年末には母を亡くした。「最近も大切な人を亡くしているので…」と、命の儚さを感じるようになったという。

「あの震災で、当たり前の日常が当たり前じゃないと気付かされた。(ここに帰ってきて)年に一度見直すというか、ゴルフができるのも当たり前じゃないので、大切に生きたいなって思います」

ゴルフでも、2度と同じ1打を打つことはない。残り36ホール、人生で一度きりの1打を積み重ねていく。(熊本県菊陽町/今岡涼太)

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