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石川遼がジュニアに競技参加を指南 スコアよりも大切なこと

石川遼は10日(日)、神奈川県の横浜カントリークラブで自身の特定非営利活動法人(NPO)が主催するジュニアイベントに参加した。抽選で選ばれた競技経験のない39人の子どもたちを相手に、ゴルファーとしての心構えを説いた。

「everyone PROJECT First Golf Festival」は昨年、プレーしたことがない子どもや大人を対象に第1回イベントを開催。今回はゴルフを始めて間もない、普段は家族らとのラウンドが中心の小学生を対象とした。それぞれが4人一組で回り、各組に同行した関東ゴルフ連盟のスタッフらにアドバイスを受けながら、ゴルフ規則にのっとったプレーを体験。暫定球を打つ前に宣言をするといった処置なども教わった。

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全4ホールをプレーした後にはスコアカードを提出し、成績を発表。石川は自身のクラブを手にしてデモンストレーションも行った。意図的に左右に曲げ、高低差を操るショットを披露した。「僕はショットを曲げるのは割と得意。曲げる必要がないときも曲げてしまうけど…」という自虐的なジョークは冷たい風でかき消され、場内からは感嘆の声が上がった。

「ゴルフのすそ野を広げたい」という思いからジュニアイベントを主催する石川は幼い頃、シャフトを短くした中古クラブを父から譲り受けてゴルフを始めた。競技に初めて出場したのは小学3年生の時。茨城県の東筑波カントリークラブでの試合だった。記念すべき最初のティショットはなんと空振り。「ほんとにフィギュアスケートみたいに一回転した」と思い出す。18ホールのスコアは「123」。順位は「ビリから2番目だった」。その後、メキメキと実力をつけ、プロツアーで優勝した高校1年時には当地のジュニア大会でハーフ「28」を記録した。

ただし石川が今回、ジュニアに訴えたかったのはゴルフに関する「エチケットとマナー」。成長過程の子どもたちに対し「一緒に回る人に迷惑をかけてはいけない。良いゴルファーか、悪いゴルファーかということに関して、スコアの良し悪しは関係ない」と強調した。

その「良きゴルファー」になるために、競技への参加は有効なひとつの術だという。「試合では同伴競技者のプレーに目を配って、マーカーとしてスコアもつける。ボールを必死に一緒に探すこともある。お父さん、お母さんと回っているときには気が付かないこともある」。すべてのジュニアがプロを目指すわけではないが、遊びとしてのプライベートラウンドから一歩足を踏み出せば、人間形成に役立つ要素もあるかもしれない。

「自分のことだけ考えて、人のプレーの邪魔をしてはいけないし、ゴルフは一緒に楽しく回るもの。その緊張感を味わってほしい」と石川。「スイングの形も大切だけれど、エチケットとマナーを教えてくれる人が周りにいたらすばらしいと思います」というメッセージは、子どもの背後に並んだ親たちに向けたものに聞こえた。(編集部/桂川洋一)

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