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プロ転向への決意 松山英樹を後押ししたマスターズ

2日(火)に東北福祉大学の構内で行われた記者会見で、プロ転向への宣言をした松山英樹。プロ転向への決意を後押ししたものの1つに、「マスターズ」への想いがあった。

「アジアアマが終わってから決断しました」。

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「アジアアマ(アジアパシフィックアマチュア選手権)」は、優勝者にのみ翌年の「マスターズ」出場権が付与されるアマチュア競技。松山はこのハイレベルな舞台で連覇を果たし、11年、12年と2年連続で「マスターズ」出場を遂げた。11年はローアマチュアに輝き、12年はローアマこそ逃したものの2年連続の予選突破。しかし、同12年の「アジアアマ」では優勝を逃し、3年連続でオーガスタへ立つことは叶わなかった。そして、松山は決意を固めた。次の「マスターズ」を追い求めて。

「アジアアマ」は年に1度の一発勝負。体調や運も左右しやすく、不確実な要素が多い。一方、多くの選手たちも目標に置く世界ランキング50位以内という指標があるが、アマチュアでいる限りは国内ツアーへの出場も主催者推薦などに限られ、世界ランクを上げるには大きな障壁となる。昨年も、僅か6試合の出場に留まった。その内の3試合は、「マスターズ」出場権を逃した11月の「アジアアマ」以降。「無理な目標だったけど、3連勝すれば50位以内に入れるとも考えていた」と、僅かな望みにすがるしかなかった。

11年の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で優勝した2年間のツアー出場優先権を行使するにはプロ資格が必要となっており、13年末でその効力も切れる。同大学ゴルフ部の阿部靖監督も「このチャンスを活かして、自分の力でマスターズに出られるように頑張りなさい」と松山の決意に賛同し、今回のタイミングでのプロ宣言となった。

「今の世界ランクは159位なので、あと110位ぐらい上げれば(マスターズに)出られる。それを目標にして1年を戦っていきたい」。とはいえ、「世界で戦える選手になりたい」と高みを望む松山にとって、海外メジャーの価値と重さは平等。「4つあるメジャーを全部勝てるように」と、目標はどこまでも高い。5月27日に茨城県の大利根CCで行われる「全米オープン」国内予選会にも出場を予定。7月の「全英オープン」は既に出場資格(予選会を通過)を手にしており、それまでは世界ランク浮上を見据えて国内ツアーに全力を注ぐ。

現状は、選手をサポートするスポンサーやマネジメント会社は決まっていない。所属も「東北福祉大学」としてシーズンをスタートし、協会との事務手続きやホテルの手配などは大学側が全面的にサポートする。キャディは、同大学OBでプロキャディ経験も豊富な進藤大典氏、トレーナーも同大学のOBを採用し、基本的に3人チームでルーキーイヤーを戦う予定。

気になるクラブ契約に関しては、多くのメーカーからオファーを受けてはいるが、まだテストの段階であるため未定とのこと。「自分が打ちやすいクラブを目指したい。よく考えて決めていきたいし、決まればすぐに使用すると思います」と、過酷なプロツアーを支える大事な手足だけに慎重な構え。阿部監督も「遅くとも、全英に行く前の6月いっぱいまでには」と、松山とともにじっくり見定めてゆく考えを明かした。(宮城県仙台市/塚田達也)

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