43歳の丸山茂樹「この3年間はつらい」
素顔のツアープレーヤーたち<深堀圭一郎の“傷だらけのヒーロー”>
端整な顔立ちで、女性ファンに圧倒的人気を誇る深堀圭一郎。
しかし彼のほんとうの魅力は、その容姿とは対照的な、プレースタイルにあるといえるでしょう。
コースに出るなりその優しい笑顔は一転して厳しく締まり、鋭い視線をピンに向け、歯を食いしばって渾身のショットを放ちます。
逆境に立たされるほど燃える性格でもあります。2001年の住建産業広島オープンでは、なんと2年連続であのジャンボ尾崎を退けて連覇を果し、大いに感動を与えてくれたものでした。
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いまやツアープレーヤーとして大活躍の深堀ですが、実はデビュー前には「このままゴルフを続けるべきか」、その選択に大いに心を悩ませた時期があったそうです。
ジュニア時代から丸山茂樹らと並び将来を大いに嘱望されていた彼は、大学進学後、ナショナルチームに選ばれたのをさかいにしてスイングを壊し、すっかり自信をなくしてしまいました。
プロになっても迷いはなかなか晴れず、鬱屈した気持ちを抱えたまま過ごしていた深堀。そんな彼を勇気づけてくれた恩人のひとりが、人気グループ「TUBE」のボーカル、前田亘輝さんでした。
学生時代、知人を通して深堀と知り合った前田さんは、機会あるごとに彼を励ましつづけてくれたばかりか、自ら、深堀のために応援歌まで作ってくれました。「傷だらけのHERO」という曲がそれで、歌詞を読んだときには、「ほんとうに感激させられたし、心から励まされた」と、深堀は振り返ります。
「この歌のように、一生懸命に頑張っていれば、いつか必ず報われる日がくる・・・」そう信じて努力を続けた結果、その後ツアー5勝の活躍を果たすことができたのです。
今でもたびたび、TUBEのコンサートで歌われているというこの曲は、深堀の勇気の源。「少し気持ちが落ち込んだときなんかはいつも、これを聞いて元気をもらっている」そうです。
今年は、開幕からパッティングに悩んでいるということでしたが、いろんな選手から積極的にその解決法を収集するなど試行錯誤して、最近ようやく復調傾向。今週の、住建産業オープン広島改め『ウッドワンオープン広島』ではまた、身上のど根性ゴルフを披露して、ツアー通算6勝目をあげてほしいところです。
※日本ゴルフツアー機構が発刊しているメールマガジン(プレーヤーズラウンジ)より転載しています。