実力の差?執念の差か、藤田らが全米切符をもぎ取る
藤田寛之が2位発進!“チャックリ”から学んだのは
国内男子ツアー第6戦「ダイヤモンドカップゴルフ」が24日(木)、千葉県のザ・カントリークラブ・ジャパンで開幕。ジェイ・チョイ(米国)が前週優勝の勢いをキープしながら8アンダーで単独首位発進を切る中、藤田寛之も6バーディ、ノーボギーの2打差の2位タイと好位置でスタートした。
前半イン、グリーンエッジからパターで沈めたバーディが起爆剤だった。藤田は14番(パー5)で2オンに成功し、2パットで2つ目のバーディを決めると、後半も確実にスコアを伸ばした。1番(パー5)ではグリーン左手前から第3打のアプローチきっちりと寄せ、2番も右ラフからピン奥2メートルにつけて2連続バーディ。4番(パー3)は5メートルを沈め、6つ目は7番(パー5)でグリーン奥からのチップインで決めた。
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待ち受けるのはフェアウェイが狭く絞られ、ドッグレッグも多い戦略性の高いホールの数々。だがそんなコースと対峙すると、自然と胸が躍る。「タフなセッティング、(毎年の)ダイヤモンドのセッティングは自分向きではあると思う」。この日のフェアウェイキープ率は71.43%(全体8位タイ)。磐石のプレーで初日のラウンドを終えた。
今週月曜日(21日)には、6月の「全米オープン」の最終予選会に出場。正規の36ホールラウンドにとどまらず、プレーオフ1ホールをプレーし執念で出場チケットをもぎ取った。しかしながら42歳のベテランは、この長丁場に「ここ最近で一番疲れた…。30ホールを過ぎたあたりから『足が動かなくなるんじゃないか』と思った」と弱音もチラリ。疲労にまみれた今週は、ウェッジをはじめとしたショートアイアンでの練習に重点を置き、“省エネ”で調整を続けている。
その予選会では、思わぬプレーも飛び出した。アプローチの場面で、ショートゲーム巧者らしからぬ“チャックリ”。それも「37ホールのうち、3回も。本当に1メートルくらいしか前に行かずに…」。それでもメジャー切符を手にしているから他選手にとってはやりきれないが、さらに、転んでもタダでは起きないのが藤田。「上体が被って、突っ込んでいた」とスイングの悪癖を見抜き、プレーオフまでの時間は、右手1本でスイングをする練習ドリルを繰り返した。すると、その成果は他のクラブでのショットにも好影響を与えつつあり「それが“ケガの功名”となってくれれば良い」と言う。
「つるやオープン」に続く今季2勝目へ好発進。残り3日、ピン位置や風の状況によって、初日にバーディ合戦が繰り広げられたコースは、一気に表情を変える可能性もある。それだけに「今日は良いゴルフができたので、明日は再確認できれば。フェアウェイをキープすること、外してもできるだけパーセーブして上位にいられたら良い」と静かに戦況を見据えた。(千葉県木更津市/桂川洋一)