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石川遼 2012年新春インタビュー

2007年に「マンシングウェアオープンKSBカップ」で日本男子ツアー史上2人目のアマチュア優勝を果たして以来、初の「年間0勝」に終わった石川遼の2011年。国内では苦悩に満ちたプレーが続いたが、その一方で海外では夢の「マスターズ」でついに決勝ラウンド進出を果たし、そして8月の「WGCブリヂストンインビテーショナル」ではアダム・スコット(オーストラリア)と最終日最終組を戦うなど、過去に例を見ないほどの大きな経験も積んだ。2012年は小学生時代から夢に描いた“二十歳で迎えるマスターズ”を4月に控え、年初からその出場権獲得に全力を注ぐ。プロ5年目のシーズンイン目前に、心境を語った。

石川遼 2012年新春インタビュー〈1〉

―新年あけましておめでとうございます。2012年の抱負は?

「あけましておめでとうございます。ひとつの目標としてはメジャー、WGCをはじめとした海外の試合で優勝争いをすることです。僕はまだ1度だけ、(2011年8月の)ブリヂストンインビテーショナルでしか経験したことがありません。ぜひ2度、3度と経験したいと思います。

あとは、スイングの部分ですね。昨シーズン中盤から終盤にかけて、気合を入れなおしてドライバーを中心に球を打ち込んでいます。ヘッドスピードを意識して計ったり、飛距離へのこだわりがまだあります。飛ばせるところまで飛ばせるような力をつけて、そこからホールによっては7~8割で打つように(力配分を)使い分けたりと、コースマネジメントすることを課題として持っています」

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―これまでのプロセスの中で、レベルを一段階引き上げることになる?

「僕の中で、ひとつ上にいこうと思っています。いままではとにかく9割から10割に近い力で、短いパー4でも、長いパー4でも、短いパー5でも、長いパー5でも同じ力でドライバーを打ってきて、たとえフェアウェイが広くても狭くても、それはまったく変わりませんでした。それが(ここ最近)、徐々に安定したスイングで打てるようになってきたんです。

そして何より、8割で打っても、9割で打ってもヘッドスピードの差が出なくなってきたというのもあります。ビデオを撮って見ると、全然力んでいない、軽く振っているように見えるのに、ヘッドスピードも落ちていないというスイング。逆に『飛ばそう』と思って力むと、ヘッドスピードが落ちてしまうこともあります。そう変わりつつあるので、徐々に軸が安定してきたのかなとすごく感じます。

やっぱり8割くらいで打った方が曲がり幅も少ないし、ミスの範囲も狭くなりますから。自分としては、攻め方を組み立てやすくなってきました。それを結構タイ(アジアンツアー最終戦のタイランドゴルフ選手権)で感じたんですよね。成績がついてこなかったけれど、手応えがすごくありました」

―ブリヂストンインビテーショナルの活躍で、一時は米ツアーのシード権にも近づいた。米ツアー挑戦は近くなったか?

「今の年間スケジュールの立て方には満足しているし、その時その時で『こうしたいな』と思ったらチームで考えて変えていきたいと思いますけど、年間を通してアメリカに“居座る”というのは、自分にとっては大きなチャレンジ。今のところ、それが僕にとって、ものすごく大きなメリットになると確信を得ていないので、どうしようかな…と思っています。

でも、2012年は(米ツアーの)賞金シード権(獲得)を目指してやっていきたいし、自分でそう思えるくらいの手応えは感じています。ゴルフってやっぱり18ホールでも、1ホールであっても、ミスと付き合っていかなくてはいけないスポーツ。完璧は無いし、ミスした時にどう処理していくかが“18ホールの中でのマネジメント”になりますけど、それは“年間”を通しても同じで、すごく調子がいい時もあれば、なかなか思うようにいかない時があります。その繰り返しで、それを整理して年間を戦っていくスポーツなんです。

その“調子がいい時”に、優勝争いができる実力をつけたいと思うし、そういう準備を今までしてきました。ブリヂストンインビテーショナルで優勝争いをしたときに『自分がここにいていいのだろうか』という戸惑いが何もなかったのは、準備ができていた証拠だったのかなという、ひとつ手応えとして感じています。明らかにパッティングがよく入っていた、ああいう(一年間における)“ターン”と言うか、“自分の番”と言うか、ローテーションじゃないですけど、『今週は自分の週なのかな』というときに優勝争いできるような実力をつけられれば、やっていけると思うんです。やっぱりルーク・ドナルドとかタイガー(・ウッズ)となると、出る(すべての)試合で優勝争いをしているイメージになりますけど、あそこまで行くにはまだ時間はかかります。極端な話、マキロイみたいに全米オープンでポンと『今週は自分の週だな』という時に圧倒的な強さを見せられる、ああいう戦い方を自分としてはイメージしているんです」

―優勝争いをしたことで、米ツアーを身近に感じたのか、それとも高い“壁”を感じたか?

「今まで、壁を乗り越えるのはすごく難しいと思っていたけれど、それは壁の“高さ”が分かるのと分からないのとでは全然違うと思うんですよね。だから『この壁はどれぐらいの高さがあるんだろう』というのが2009年、2010年だったとしたら、2011年はその壁の高さが分かったんじゃないか、というのがあります。だから自分としては『この壁を越えるにはこういうことが必要なんじゃないか』と分かった11年でした。10年、09年は『何をやったらあの人にたどり着けるんだろうとか』という段階でしたけど。『これを突き詰めていけば同じレベルでやれるんじゃないか』というのは、11年に初めて感じました」

―結果論で言えば、2011年は米ツアーのシーズン初旬に、もっと賞金を稼いでいれば、PGAツアーのシードを獲れる可能性も高かった。2012年の春先の戦い方のイメージは?

「僕が2011年に考えた一つのことなんですが、『周りに流されないこと』を重要にしてきました。自分を持って、オリジナリティを出して何事もやりたいと思ったんです。(打撃レンジでの)練習も、練習ラウンドもそうだし、一週間の過ごし方もそう。『あの選手がああやっているから自分も同じようにやろう』ではなくて、自分のやり方を確立させてもいいんじゃないかなと思った2011年でした。

自分のやり方で世界を目指していきたい。そのためにいろんな選手から盗んだり、得たりというのはあるけれど、“流される”のではなく“取り入れる”ようにしていきたいんです。

そういう意味でも、各選手がピークを持っていく全米オープンや全英オープン、つまりUSPGAでいうツアーの中盤の時に、自分もピークを持っていくのではなくて、自分の場合は各選手が『まだ春先だからな』と思ってるところを、ズバッと行きたいというのを強く持っています。(2月の)ノーザントラストオープンで予選を突破できなかったのは非常にもったいないことだし、アクセンチュアマッチプレーも、シュワルツェルと当たってすごく良い経験ができたけれど、そういうものに流されちゃいけない。自分は他の選手に比べて技術的にも劣っているし、そういう選手の隙を狙ってというか…。だからシーズン明けの戦い方というのはすごく大事にしています」

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