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今季初勝利の小田孔明、座禅で養った集中力を発揮

国内男子ツアー第6戦「ダイヤモンドカップゴルフ」は29日(日)、千葉CC梅郷コースで最終ラウンドを行い、通算16アンダーとした小田孔明が2位に4打差をつける圧勝でツアー通算5勝目を挙げた。

2日目終了時点で単独首位に立っていた小田は、得意の展開で今季初勝利をマークした。過去4度の優勝は、すべて最終日をトップからスタート。「前半で逃げ切ってしまうことが大切」という勝利の方程式を作ってきた。

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この日も10番終了時に「一緒に回って、勝ったためしがない」という藤田寛之に1打差に迫られたが、11、13番(パー3)でバーディ。さらに14番(パー5)ではグリーン右手前のラフから40ヤードのアプローチを、サンドウェッジで直接沈めてチップインイーグル。冷や汗をかきそうになった場面から盛り返して勝負を決め、結局は最後まで並ばれることなくゴールテープを切った。

昨年の「東建ホームメイトカップ」以来、1年ぶりの勝利。しかし昨季は同大会後、パッティングの“イップス”にかかった。5月のチャリティマッチで20センチのパターを外してから「30センチのパットが入らなくなった」。バックスイングで自然に手が上がらない。夏場を前にして5戦連続の予選落ちを喫した。同じ舞台で戦う多くのツアープロにアドバイスを求めても「気持ちの問題でしょ」としか返ってこない。パターも何度も変えたが、悩みは深まるばかりだった。

しかし秋も深まった10月。ある雨の日、自分のパターを注視するとフェースのトゥ寄りに砂が付着しているのを見つけた。「パターの先でストロークしている」。ネック寄りにボールをセットしてボールを打つと、一気に目の前が開けた。「『なんだ、それだけか』と思った」。

苦悩の期間中、小田は兵庫県神戸市内の寺院で座禅を組んだ。暗がりで、ロウソクの火を見つめながら「自分のやってきたことを振り返って、自分のこれからするべきことを考える」という。今年4月にも必勝祈願の思いも込めて来訪。「集中力が高まる。プレー中、違うことやマイナスのことを考えてプレーしていたけれど、集中できるようになった」と心身ともに充実した状態でシーズンを戦い、早々に結果を出した。

今後の目標は世界ランキング100位以内への復帰と、日本タイトルの獲得。「あまり出しゃばると、いろんな人から怒られる。“しれーっと”行きますよ」。闇の中でつかんだ光を武器に、次なるステージへと歩を進める。

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