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藤田寛之「彼は和合の怖さを知らない」

「中日クラウンズ」2日目、端から3ヤードにカップが切られたホールが実に5つ。ピン位置が激しく振られ、午後からは風も吹き始め、徐々に和合の厳しさが牙を剥き始めた。

そんな中、この日ベストスコアとなる「65」で回ったのは、先週優勝の藤田寛之。「向こう(コース)が本気を出さないと、僕もやる気が出ないんでね」と、条件が厳しくなればなるほど、集中力が高まり、ゴルフへとのめり込むタイプだ。

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「ここに来るとコースとの戦い、自然との戦いというのを感じて、すっと自分の世界に入れる」という藤田。過去幾度も優勝争いに絡んできたが、その度に和合に跳ね返されてきた。「優勝争いをしていると、上手く行く、行かないは紙一重。そこに面白さがあるし、1ヤード刻みで(ショットを)置いていかないといけない。達成感は他のコース以上にありますね」。藤田もこの大会で初戴冠を夢見る一人だ。

単独首位を走るのは、同じ芹澤組の上井邦浩。「それもやる気を出させる材料です」と藤田は言う。「そんな突っ走るなよと言いました」と後輩をけん制するが、その一方で「彼は和合の怖さを知らないですから。(彼は)近所に住んでいるけれど、僕は試合での怖さを知っていますから」。経験がものをいうと言われる和合。その厳しさを熟知する藤田だけに、3打差をつけられても慌てる様子はない。

2日目を終えて上井は9アンダーだが、優勝スコアを「10行かないのでは?」と藤田は予想する。「2桁行ったら、和合じゃないですよ」。週末は天候も良く、グリーンは一層硬くなる。残り36ホール、ここからは濃密な消耗戦が展開されることだろう。

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2010年 中日クラウンズ



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