「ACNチャンピオンシップ」3日目リーダーボード
2023年 ACNチャンピオンシップゴルフトーナメント
期間:10/05〜10/08 場所:三甲GCジャパンコース(兵庫)
焼き肉の“お告げ”は通算17アンダー 篠優希が逆転初優勝?
◇国内男子◇ACNチャンピオンシップ ゴルフトーナメント 3日目(7日)◇三甲GCジャパンコース(兵庫)◇7295yd(パー72)◇晴れ(観衆1452人)
皿にのせた肉が、何か変だ。大会開幕前日の4日、帯同キャディと夕食をともにしていた篠優希(しの・ゆうき)の目には数字に映った。「お皿の上で肉が『17』の形に見えて。それをキャディと話しているうちに『これ、今週の目標スコアにしようか』と」。17の横に「+」(オーバー)も「-」(アンダー)も、それらしきものは見えなかったが、当然「通算17アンダー」を目指そうとなった。
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馬鹿げた話だが、それなりの理由はある。
代々木高(東京)3年だった2015年「日本ジュニア」優勝の実績を引っ提げて、同年12月のQTでプロ転向。16年は下部ツアーにフル参戦した。ところが、ドライバーの不調でゴルフが崩れた。17、18年はレギュラー、下部とも出場はゼロ回。21年からプロコーチの中井学氏に師事してどん底状態を抜け出し、昨年のファイナルQTで1位となり、今季は初めてレギュラーでフル参戦している。
ここまで出場16試合で予選通過だけを見れば10回とまずまずだが、上位に行けない。「20位あたりまでは行けるんですけど」。最高位は「フジサンケイクラシック」の20位。「爆発した」と言えるのは「Sansan KBCオーガスタ」3Rの「65」ぐらいだ。「パーオンはするけど、伸ばせないみたいな」。現在の賞金ランクは79位で、初シードが取れる65位以内は微妙な状況にいる。トップ10入り、優勝争いに絡むには…と考えた結果、上を目指す姿勢を保ちやすい「目標スコア」の設定を考えたわけだ。
初日「70」、2日目「68」で迎えたこの日、6バーディ3ボギーで「69」をマークし、通算9アンダーとした。「通算17アンダー」は例えば「1日4アンダー×4+1」。最終日には8アンダー「64」が必要になる。硬く仕上がったグリーンや、連日の強風を思えば、高いハードルになるものの、通算13アンダーで首位の今平周吾と4打差だから、達成すれば優勝スコアになるかもしれない数字だ。
「僕は一足飛びにツアー優勝とかは考えてないです。まずシードを取って、その次に、と思ってます」。とはいえ、篠が求めているのは爆発力。焼き肉の“お告げ”はツアー初優勝の予言だった、となれば最高のフィナーレになる。(兵庫県三木市/加藤裕一)