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岩田寛のパターと藤田寛之の寄せ 木下稜介が名手の教えで優勝争いへ

◇国内男子◇バンテリン東海クラシック 3日目(30日)◇三好CC西コース (愛知)◇7300yd(パー71)◇曇り(観衆3503人)

いきなり2連続バーディで飛び出した木下稜介がこの日スコアを伸ばしたのは、終わってみればその2ホールだけ。「出だしだけでしたね。あとはピンチが多くて疲れました」と苦笑しながら、通算9アンダー4位でトップとは2打差に踏みとどまって最終日を迎える。

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初日64.29%(9/14)だったフェアウェイキープ率は徐々に下がって、3日目は35.71%(5/14)と苦しいプレーを象徴する数字に。それでも、ボギーは深い右ラフを渡り歩いた後半17番の1個だけだった。なかなか上位に絡めない今季の悩みの種だったのがボギー数の多さ。タフな三好CCにあって54ホールで4個は及第点だ。

ショットがままならない中でのプレーを支えたのはアプローチとパターのショートゲームにほかならない。かつてピン型を使うことへのこだわりが強かったグリーン上。今季はオデッセイ「ホワイト・ホットOG 2ボールブレード」に替えただけではない変化がある。

6月「ASO飯塚チャレンジド」の際、同じ形のパターを19年ほど使う岩田寛に教えを請うと、同週に今季初のトップ10入り。8月「KBCオーガスタ」でも再び聞きにいった。相手は平均パット数で上位常連の名手。小平智大堀裕次郎といったパッティングで助言を授かった選手がすぐに結果につなげているが、“シャイ”な教えた側はもちろん、教わった側も内容について「秘密です」と口を閉ざすのも共通点だったりする。

前週「パナソニックオープン」では、「日本シニアオープン」を制したばかりだった藤田寛之のアプローチ練習をじっと観察した。「5ydを打つのに、胸がすごく動いて(ボディターンをしっかりして)いた」。手先でコントロールしようとしがちだった自分との違いに驚き、質問攻めにした。

手首を使わないというポイントは、「打ち方的にはフェードとドローくらいの真逆」な衝撃だったが、すぐに取り入れてみた。4番で左奥から上って下る厄介な寄せを成功させた場面にも生きていたとうなずく。

2年ぶりの3勝目がかかる最終日。「最終組じゃないので気楽に、(欲とか)何も考えずに一打一打、集中していきたい」。苦しい場面でこそ頼りになるスキルを必死に増やしてきた今なら、きっと粘り強く戦える。(愛知県みよし市/亀山泰宏)

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