2023年 バンテリン東海クラシック
期間:09/28〜10/01 場所:三好CC西コース(愛知)
結婚後は苦戦続き 木下稜介の一大決心
◇国内男子◇バンテリン東海クラシック 2日目(29日)◇三好CC西コース (愛知)◇7300yd(パー71)◇晴れ(観衆2228人)
今季ここまで賞金ランキング37位、なかなか上位に絡めない日々に木下稜介の心は揺れていた。前週「パナソニックオープン」で予選落ちを喫すると、たまらず奥嶋誠昭コーチに連絡を入れた。
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提案されたのは、クラブセッティングを見直すこと。継続的なトレーニングで体つきも変化する中、アイアンセットは6、7年ほど同じモデルを使い続けていた。
思い当たるところもあった。初優勝を含む2勝を挙げた2020-21年シーズンは2位(71.93%)、22年も4位(72.22%)とショットメーカーぶりを発揮していたパーオン率が、今季は44位(66.46%)に低迷。データでは明らかなのに、原因をつかめずにいた部分だ。「ことしあまり成績が出なくて、不安とか焦りとか…。何かを変えないといけない」。追い込まれて腹をくくった。
今週から4~9番アイアンを「ブリヂストン 221CB」、PWを「ブリヂストン 220MB」にスイッチ。シャフトも粘るタイプに差し替えた。
「全く道具を替えない人間だったので、余計に不安だった」と話すが、新しいヘッドとシャフトのマッチングは狙い通りにハマってくれた。引っ掛けるミスに悩まされ、ドローヒッターとして最も大事にしていながらできていなかった「出球を右に出す」ポイントをクリア。「65」で回った初日のパーオン率は83.33%(15/18)を記録した。「ラウンドを消化していくごとに、不安が自信に変わってきた」とうなずく。
この日も「69」にまとめ、首位と1打差の通算8アンダー2位で決勝ラウンドに臨む。「(優勝争いは)記憶にないくらい、久しぶり。あまり自分に期待せず、目の前の一打に集中する」と謙虚に言いつつ、負けられない思いを胸に秘める。
プライベートでは1月に結婚。「結婚して、成績もいいのが理想」という願いとは裏腹に、コースでは歯を食いしばるような悔しい日々が続いた。「今年ずっと良くなかった。ここからグッと行けたら良いですね」。2年ぶりの3勝目を届けたい人がいる。(愛知県みよし市/亀山泰宏)