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こだわりの「ローピング」 石川遼が提案するギャラリーサービスの本質

◇国内男子◇ジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ by サトウ食品 初日(22日)◇西那須野CC(栃木)◇7036yd(パー72)◇雨(観衆590人)

3回目を迎えた選手会主催大会は谷原秀人・大会会長をはじめ、宮里優作が実行委員長を務めるなど選手が運営に携わる。石川遼はことし“ローピング担当”を任された。野球場で言えばスタンドの柵の代わりである、ギャラリーの観戦エリアを示す白いロープを、コース内のどこに張り巡らすかを考える仕事だ。

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普段はイベント運営会社が担う業務を選手目線でセッティング。打球事故を防ぐ安全面を念頭に置き、来場者に快適な観戦を促す必要がある。コースのグリーンキーパーらにアドバイスを仰ぎながら、選手のメインの“プレーエリア”との仕切りを設定。「全米オープン」を終えて帰国翌日の21日(水)、石川は会場入りした夕方にその位置をチェックした。

「安全に、ワクワクしてもらう」のがテーマだと言う。これまでの国内ツアーのローピングには石川なりの“不満”もあった。例えばティイングエリア周辺にあるロープ位置が、欧米に比べて選手から遠い。つまり、ギャラリーから遠い。

「ティイングエリアは飛球線の後方や真横であれば一番安全な場所。僕はなるべく近くで見てほしい。PGAツアーの会場では選手が素振りでクラブを上げたら、ギャラリーがのけぞるくらい近い。ドライバーショットを選手から3、4mくらいで見られる」。今大会は安全面を確保できる範囲で、できるだけ近くに設定。男子プロならではの力強いショットを、多くのホールで後方から目で追える。

ゴルファーは音に敏感で、アドレス、スイング時に来場者が声をあげるのはご法度。選手に近い位置での観戦はそのリスクが高まりそうで、石川は反対意見を述べた。「ギャラリーの人も選手の近くにいると、(気を遣って)音を出したり、動いたりってできないじゃないですか。だから(近い方が)逆に静かになるんですよね。ローピングを選手から遠くすると、(ギャラリーは)『ここなら選手も気にならないだろう』と思って歩いたり、音をたてたりしてしまう。でも、選手はその姿が気になってしまうという悪循環がある」

今週はティイングエリアだけでなく、グリーン周りも可能な限りロープを“内側”に寄せている。「カップの位置が見ることが最優先。それにパッティングの音も聞きたいじゃないですか。カツンってボールにあたる音が…」。毎日変わるピンポジション(カップの位置)によって、ローピングの位置も変えることにもトライした。

観戦エリアの設定ひとつとっても、ツアーや運営スタッフの知見と経験、そして各大会を迎えるゴルフ場の協力が欠かせない。「観に来た方が、来て良かったな、現地で観戦してよかったと思ってもらえるような大会づくりをする上で、ローピングはめちゃくちゃ大事。観に来ないとできない体験を、どれだけしてもらえるかということに尽きると思う」。求められるツアーの再構築のカギは慣例を疑うことから始めてもいい。(栃木県那須塩原市/桂川洋一)

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