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67歳ポパイが魅せた 倉本昌弘の10年ぶり予選通過は歴代2位の年長記録

◇国内男子◇関西オープン2日目(14日)◇泉ヶ丘カントリークラブ(大阪)◇7038yd(パー71)

60位タイまでの予選通過へ。カットライン上の通算イーブンパー49位タイからスタートし、倉本昌弘が後半14番で初バーディを奪った。353ydと短いパー4で、第2打をPWで1.5mにつけ、1アンダー。17番で残り171ydから7Iで2mにつけ、2アンダー。39位で36ホールを終えた。

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「通ってホッとしました。1試合でも通っておけば『まだできるじゃない』と見てもらえますからね」。通算30勝の永久シード保持者は「泉ヶ丘カントリークラブでやると聞いて“今だったら予選通過できるかな”と思っていました」。プレーしたのは初めてだが、周辺に“取材”して、うねりのあるグリーンを硬く仕上げる予定と聞いていた。簡単というよりむしろ戦略性が高く、ロングヒッター優位ではない点に、活路があると思っていた。

杉原輝雄(故人)が2006年「つるやオープン」で達成した68歳311日が、レギュラーツアーの最年長予選通過記録。倉本は67歳217日で、尾崎将司が13年「つるやオープン」で記録した66歳92日を抜き、歴代2位になった。

「体が丈夫? はい、丈夫ですね」。身長は164cmでも、かつて「ポパイ」と呼ばれた男だ。筋力は当然落ちたが、スタート前のケアに気を使う。ストレッチはホテル出発前とコース到着後の2回がルーティン。しかし、本人は「スイング」の重要性を力説する。「可動域ももちろん狭くなるけど、無理のないスイングですよ」。理にかなった動きがゴルフの疲労から来る腰、背中、首などの故障を予防する。

個人的には2013年「カシオワールドオープン」以来10年ぶりの予選通過。「出てなかったですからね」。14年2月から昨年3月まで、日本プロゴルフ協会(PGA)の会長を務めた。在任期間のレギュラー出場は19、21年がPGA主催の「日本プロ選手権」だけ。退任直後の昨季は5試合に出たが「セッティングや環境に慣れてなかったですね。昔より飛ぶ選手がずいぶん増えたし」と話した。

「本当は、今年いっぱいで(レギュラーツアーは)辞めようと思ってたんです。(永久シードを使った)1席を取り続けるのは信念に反しますから。でも、予選を通ったってことは“戦える”ってことですからね」。今季もシニアツアーを主戦場にしつつ、レギュラーも「ゴルフパートナー PRO-AMAトーナメント」(5月18日開幕/茨城・取手国際ゴルフ倶楽部)「ASO飯塚チャレンジゴルフトーナメント」(6月8日開幕/福岡・麻生飯塚ゴルフ倶楽部)への出場を予定。「本当は中日クラウンズ(24日開幕/愛知・名古屋ゴルフ倶楽部和合コース)に出たかったんだけど、テレビ解説の仕事が先に入っちゃって」。来年7月17日以降にレギュラーツアー予選通過を決めれば、最年長記録だが…。「それはねえ」と笑顔で言葉を濁したものの、昭和のポパイは令和になっても元気だった。(大阪府堺市/加藤裕一)

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