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悲願の初V「“うまい”じゃなくて、強くなりたい」河本力が3度の惜敗で学んだ本当の強さ

◇国内男子◇Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 最終日(28日)◇芥屋GC(福岡)◇7191yd(パー72)

昨年「パナソニックオープン」で同じアマチュアの中島啓太が優勝争いをする姿が、いまでも河本力のなかで鮮明にプレーバックされる。「啓太が試合で勝った時って、落ち着いていたんですよね、異常に」。同組で最終日をプレーしながら、自分は優勝に届かなかった。スコアを崩して20位まで後退。優勝カップを掲げる大学のひとつ下の後輩を祝福しながら、何が足りないかを考えこんだ。

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いま振り返れば、優勝への焦りから無茶な攻めをしていたとわかる。プロ転向後、レギュラーツアーで初めて迎える最終日最終組。この日はもう、序盤で連続ボギーがきても、終盤で競争相手に流れがきても、冷静さを失うことはなかった。

首位のイ・サンヒ(韓国)を1打差で追いかけながら、4番から連続ボギー。「前の自分なら確実に焦って仕方なかったけど、バーディは絶対獲れると思っていた」と、自分の飛距離を武器にパー5で勝負と決めていた。強いアゲンストのなか、6番(543yd)の第2打でグリーン手前のカラーまで運んでバーディを奪いトップに並ぶ。9番のパー5でも1つ伸ばして流れに乗ると、15番を終えて通算16アンダー単独首位まで上りつめた。

朝から絶やさなかった笑顔も、終盤に入ると表情も硬くなり、いつも以上に身体に力が入るのも感じていた。上がり3ホールは難度が高いと分かっていても、16番のボギーで、バーディとしたイに並ばれたときは「すごく焦った」と追いつめられる。必死で自分のプレーに集中しながら、最終ホールでバーディを獲ることだけを考えた。

最終ホールのパー5、「いいティショットをしたら、勝てる」と自信をもって振りちぎったドライバーショットはフェアウェイの中央をとらえた。2打目はプレッシャーから右に曲げてラフに入れたが、そこから3.5mに寄せてバーディフィニッシュ。通算16アンダーでイを引き離し、来季からのツアー出場資格獲得を決める悲願の初優勝に涙をこぼした。

アマチュア時代の20年「日本オープン」、21年「パナソニックオープン」と優勝争いに絡みながら届かなかった。今季も下部ABEMAツアー「南秋田カントリークラブみちのくチャレンジ」で首位に立ちながら最終日に崩れて17位で終了。技術面で自信をつけても、冷静さを保つ精神面の強さがついてこない。

周囲からも「メンタル面が大事」と言われ続けてきたが、「プロになって勝ちたいっていう気持ちがあって、無駄な自滅をしてしまった。ほかの選手に楽なゴルフをさせてしまった」と、どうしても焦りが先に出た。

「最後もヒーヒー言いながらのバーディでしたけど、焦ることなく、自分に集中することだけを意識してできました」と、悔しい試合を何度も経験してプレッシャーを力に変える術をようやく身に着けた。後輩を引き合いに出すのはほんの少し悔しいが、「きょうのゴルフをしていたら、(中島も)なかなか嫌なんじゃなかったかな」とはにかむ。「“うまい”じゃなくて、強くなりたい」と掲げる目標に一歩近づいた。(福岡県糸島市/谷口愛純)

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