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恋人と熱い抱擁のち涙 池村寛世が5打差逆転で悲願の初V

◇国内男子◇ISPS HANDA ガツーンと飛ばせ 最終日(31日)◇美浦ゴルフ倶楽部 (茨城)◇6988yd(パー71)

プロに転身してから9年目の池村寛世が7バーディ、1ボギーの「65」で回り、5打あった差をひっくり返して念願の初優勝を手にした。最終組の1組前から出た最終日はバックナインでスコアを6つ伸ばしての逆転劇。「終わったんだ」と思った瞬間に涙がこぼれた。

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プロになったころは実家がサツマイモ農家とあって、父親から「稼がなければ家業を継げ」と発破をかけられていた時期もあった。

同じ鹿児島出身の稲森佑貴に「自分よりポテンシャルがある」と言わしめるなど周囲からは「お前ならすぐに勝てる」と言われてきた。予選落ちが続いた今年の前半戦は「(不調が)このまま続くんじゃないか」と不安が押し寄せた。

同い年で幼少時代から顔見知りの比嘉一貴がツアー2勝を挙げ「置いてかれている」と悔しかった。優勝争いをできる位置につけてもあと一歩届かず、「大事な場面でへこむことが多かった」

それでもはい上がって来られたのは、隣で献身的に支えてくれた存在が大きい。今大会でキャディを務めた坂口琴音さんは結婚を前提に交際を続ける仲。プロキャディに依頼できないとき、代打でバッグを預けてきた。

同郷でゴルフ経験のある同い年。不振だった時期にも、宿舎のキッチンで料理をしてくれたり、遅くまで続く練習に付き添ってくれたりした。「ポジティブに『大丈夫だよ』って。辛かったときは『練習すればちょっとずつ良くなる日が来るから』ってずっと言い続けてくれていた。キャディをしてくれているときに勝てて良かった」

優勝が決まると強く体を引き寄せて抱擁し、喜びを分かち合った。

「1勝目がラッキーで終わらず2勝目、3勝目と比嘉プロに追いついていけるように」と次なる勝利に思いをはせる。「実感がいつ湧くか分からないけど、皆から『おめでとう』と言ってもらえるのはすごくうれしいです」と笑みをこぼした。(茨城県美浦村/石井操)

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