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石川遼が5W破損に涙 「信頼できるクラブだった…」

◇国内男子◇ANAオープンゴルフトーナメント 最終日(19日)◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース (北海道)◇7063yd(パー72)

ホールアウトした石川遼は、両手をだらりと下に垂らし、やや前屈みになりながら、苦しそうに記者たちの前に現れた。「なんか疲れがどっと来ました。17番のセカンドを打ってから、めちゃくちゃ全身だるいので…。なんなんだろう…」

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首位と6打差で出た最終日、石川はスコアを伸ばせずに17番を迎えていた。首位との差は大きく開いていたが、ティショットを右サイドの木の後ろに曲げて決断を迫られていた。

輪厚の名物ホール17番(パー5)は、残り100yd付近から大きく左にドッグレッグをしている。石川の球は、ターゲットに対して木の右後方に止まっていた。もし前方に打とうとすれば、インパクト直後にシャフトが木の幹に当たって折れる可能性が高かった。

「それは覚悟していたけど、折れないように打つにしても、軽く出すだけだと3打目が木越えになって(グリーンを)狙えない。右側を狙って打とうとしても、たぶんもっと(球にクラブが)届かない。ボールに当たるまでは、木はシャフトに当たらないだろうと思っていたけど、シャフトが木に当たるのを自分で構えちゃったというか…。それでヘッドを走らせて、左に行ってしまったのかなと思う」

球は左の林に飛んでいったが、同時にキャロウェイ マーベリック サブゼロ フェアウェイウッド(5番)はシャフトが真ん中から真っ二つに折れていた。そのホールをパーでしのいだものの、失った代償は小さくなかった。

「大事なクラブを1本折っちゃったので。もうちょっと良いショットを打ちたかったです」と、その状況を振り返っていた石川は、「5Wはちょっと信頼できるクラブだったので…」と言ったところで言葉を詰まらせ、うつむいて目に涙を溜めた。そのまま取材は終了した。

1本のクラブを失ったショットの価値は、言葉には残らなかった。最終日はイーブンパーで、通算9アンダー16位。優勝したスコット・ビンセント(ジンバブエ)とは9打差だった。(北海道北広島市/今岡涼太)

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