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日本一の飛ばし屋×富士桜 ドラディス1位・幡地隆寛の苦労

◇国内男子◇フジサンケイクラシック 初日(2日)◇富士桜CC(山梨)◇7566yd(パー71)

「たった1ホールのために(午前)3時半に起きたくない」。濃霧による視界不良で順延になる寸前、幡地隆寛は同組の選手たちと懸命に終盤のホールを消化した。最終18番のティショットを終えたあとに中断のホーン。ギリギリでホールアウトにひと安心だ。

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早起きを回避したことよりも、うれしかったのが6バーディ、3ボギー「68」のスコア。初出場した2017年大会から5回目の挑戦で初のアンダーパーを記録し、初の決勝ラウンド進出への視界は明るい。前日、メーカー担当者に急きょ用意してもらったスコッティキャメロン PHANTOM X 11パターも大いに力になった。

ツアー屈指のロングコースは、今季のドライビングディスタンス部門1位(314.83yd)の飛ばし屋と相性が良さそうで、28歳には人知れぬ苦労がある。「自分は誰よりも狭いところで回っていると思います」。キャリーで310yd出る1Wショットのランディングエリアは絞られており、「(木々やフェアウェイの)すれすれのラインに良い球を打たないと、フェアウェイに止まらない」ホールが多々ある。

ツアー最長パー4の5番(535yd)は、左サイドの林近くにドローボールを打ち出す。成功すれば2打目で9Iも握れるが、この日は木にぶち当てて「260ydくらいしか飛ばなかった…」。多くの選手とはちょっと違うリスクと常に隣り合わせ。「(ティショットが)成功した時は他の人より(2打目が)ラクには打てるんですけど、余計にプレッシャーがかかっている」。和製大砲ならではの悩みだ。

今年に入って国内メジャー2試合でトップ10入り。「ドローかフェード、あらかじめ決めて打っていたが、今年の春からティイングエリアに立ってから打つ球筋を決めるようにした」と感性を大事にして好結果が続き始めた。

富士桜では17年に7番(パー3)でホールインワンを達成(予選落ちしたけど)。「あのときよりは優勝も現実的にはなってきた。年々進歩しているのは実感できている」と暫定6位でのスタートを喜ぶ。「でも、まずは予選を通過しないことには。きょうの3アンダーは忘れて、気を抜かず(各ショットで)スイングのチェックをしていければ」と188㎝の背を少し丸めた。(山梨県河口湖町/桂川洋一)

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