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静寂の18番で聞こえた「歓声」 石川遼は“久々”の好発進

◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ 初日(3日)◇東京よみうりカントリークラブ(東京)◇7023yd(パー70)

石川遼はスタート前の練習場でショットの感触を確かめながら、合間で何度もポケットに入れたヤーデージブックを取り出して確認していた。マネジメントへの強い意識をうかがわせる一幕。一方でトッププロの技術をもってしても、綿密に練った戦略通りにいかないこともざらにある。

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「『絶対に行きたくないな』と決めていたところには確かに行ってない。大きな崩れにはなっていないけど、自分が想定していたところよりも少し外れるショットが2打とか3打あった」。前半8番(パー3)はティショットを右のバンカーへ入れながら、微妙な距離のパーパットをねじ込んだ。9番は1Wショットがしっかりとフェアウェイを捉えたが、2打目はピンと反対側のグリーン右サイドに乗った。

「本当はセカンドショットを3、4m左側、グリーンセンターに乗せたかった。それがちょっとずれてしまったけど、ロングパットでしのぐのも、メチャクチャ大事」。カップより大きく右を向いた長いバーディトライは、8mほど転がってからほぼ直角に方向転換。ゆっくりと傾斜を下って、ストレスのないパーパットを残してくれた。

3月から初めてコーチを迎え、スイング構築やコースとの向き合い方も新たな取り組みを続けているシーズン。「きょうのグリーンのスピードだったら、カップのところまで止まらずに落ちてくるというのをどこまで信じてやれるか。そこは感覚と経験を頼りにしていかなきゃいけない。ショットが悪いときも、自分が持っているものの中で戦う。そこに頼るしかない瞬間もある」。蓄積してきた経験の引き出しを開け、難局を乗り切った。

例年グリーン周りをギャラリーが取り囲む、名物ホールの18番(パー3)も静寂に包まれている最終戦。ピン手前3mに絡めるショットを披露した。「自分がJTカップで打ってきたショットの中でも、かなり上位に入るショット。自分には歓声が聞こえました。(気持ちは)勝手に盛り上がってましたよ」と笑った。

バーディパットは惜しくも左に外れたが、「67」で首位と3打差の3アンダー8位。初日にアンダーパーをマークしたのは、今季9月以降の国内で開催された試合では初めてのこと。連覇への挑戦を通じ、テレビ画面越しでもファンに熱狂を届けたい。(東京都稲城市/亀山泰宏)

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