片山晋呉、プロアマ日に初めての練習ラウンド
苦しみから抜け出し、今季初勝利を挙げた谷原秀人
昨季は賞金ランキング2位に入り、今季は片山晋呉の4年連続賞金王を阻む急先鋒と目されていた谷原秀人が、今週の「フジサンケイクラシック」でようやく今季初勝利を遂げた。勝因は、今年4月に開催された海外メジャー「マスターズ」の前から取り組んでいたスイング改造が、やっと実を結び始めたことにある。
持ち球であるフェードから、出だしはストレートで落ち際にフェードする、より曲がりの少ない球筋に変えた。完成度は「いい時もあれば悪い時もあるし、まだ7割くらい」と話すが、今大会の勝利からも明らかなように、確実に結果に現れ始めている。しかし今季のこれまでの不振は、このスイング改造が引き起こしたものだった。
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「日本プロ(予選落ち)から始まり、マンシング(失格)、三菱ダイヤモンドカップ(予選落ち)と、ゴルフを止めたくなるくらい辛かった」と振り返る谷原。周囲からは前のスイングに戻した方がいい、との意見も出たが、「意地で直さなかった。(スイング改造を)やった意味がなくなる」と、1日7~8時間ひたすらボールを打ち続けた。その改造が実を結んだことで、今回の勝利は感慨深いものがあるだろう。
また、このスイング改造は、以前までの手打ちを解消して体への負担を減らす意味合いも含まれていた。「背筋の痛みがまったくなくなって、気持ち良くプレーできている」と、悩みの種であった背筋痛が解消。今では「(スイング改造を)やって良かったと思う」と、すっかり自信を取り戻したようだ。
賞金王についても、「今年はスイング改造があったので狙っていなかった。まだ(トップとの)差はあるけど、1つ勝てたのでまたチャンスが出てきたと思う。あと1つくらい勝てれば、面白くなるでしょうね。はやく2勝目を狙っていきたい」と、欲が芽生え始めた。また1つ進化を遂げた大器が、シーズン後半戦を面白くしてくれることだろう。