石川遼、マスターズ出場決定に「ありがたく、うれしい」
石川遼は5位タイ 「自分にとっては最高の結果
国内男子ツアー開幕戦「東建ホームメイトカップ」の最終日は、石川遼が首位タイで最終組をラウンドする効果も手伝い、詰め掛けたギャラリーは大会史上最多となる1万5262人。しかし、大勢のギャラリーが埋め尽くした1番パー4のスタートホールで、石川は波乱のスタートを切る。
「緊張よりも、これまで打ち込んできたという自信が勝った」というティショットを、無難にフェアウェイへ運ぶ。3日目までと同じ好調ぶりを感じさせた矢先、「緊張からか、アドレスした時にぎこちなさを感じた」という、残り155ヤードの第二打。トップが浅い状態で先に体を突っ込んでしまい、まさかのシャンク。ボールは、グリーン右手前のカート道付近まで逸れてしまう。続く三打目を手前5メートルに乗せたものの、ここから3パットとしてダブルボギー。スタートホールで、早々に首位タイから後退してしまう。9番パー4では、ティショットがラフに植えてある木の根元に止まる不運。8番アイアンで左打ちを試みるが、ダフるなどのミスも重なりボギーとする。前半を1バーディ、2ボギー、1ダブルボギーとスコアを3つ落とし、優勝争いからは完全に脱落した。後半に入っても流れは変わらず、パットに苦しむホールが続く。3パットにより、10番パー4でダブルボギー、11番パー4をボギー。スタート時には6つあった貯金を一気に使い果たし、イーブンパーに戻してしまう。
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しかし、石川の気持ちは折れてはいなかった。15番パー4、16番パー3、17番パー5で3連続バーディを奪取。「9番ホールあたりから、セカンドの地点でドライバーの素振りをし始めました。そのあたりから、しっかりとやるべきことを忘れずに、18番までスイングだけに集中してプレーできたんです」と石川。“やるべきこと”とは、石川が常に課題に掲げている、最後まで良い状態のスイングを続けること。「神様が、最後くらいはちょっと認めてやろうと、3連続バーディをくれたのかな。感謝するしかないですね」と振り返った。
最終的には、4バーディ、3ボギー、2ダブルボギーの「74」。3ストローク落とし、通算3アンダーの5位タイでフィニッシュした。プロデビュー戦でプロ初勝利という快挙は逃したが、「最後まで諦めずに良いスイングを心がけた、その結果だと思います。これは大きいこと。やり切った思いはありますし、自分にとっては最高の結果だと思います」と総括した。
また、「実は…」の前置き後、「来季が勝負だと思っていて、今シーズンは強くなるための年だと考えていました。まさか開幕戦で5位タイとは、自分が一番予想していませんでした。あくまで、今シーズンはゴルフを上達させるための年だと思っています」と、自身の長期的なプランを明かした。来週は『つるやオープン』に出場を予定。「来週も、次の週や次にプレーするときに繋げられるように、最後まで良いスイングをして諦めずにプレーしたいです」と石川。この考えを貫き通している限り、その成長は止まることないだろう。