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勝つために作った「自分研究ノート」

2024/11/23 05:00

プロデビューした福嶋晃子の人生はまさに順風満帆だった。賞金ランキングでは1994年に5位(1勝)、95年は3位(2勝)と着実に実績を重ねた。そして迎えた96年、2月に参戦した海外の試合でぎっくり腰になり、1ホールで棄権し帰国。3週間の寝たきり生活を送ることになってしまう。立ち上がることすらできず、目の前のコップにすら手が届かないほどの重症で天井とにらめっこをして過ぎていく日々。しかしそんな状況でも、決してネガティブにはならなかった。「これはゴルフの神様から与えられた貴重な時間ではないか?」そう捉えて、これまでの自分自身を見つめ直す機会へと昇華させた。まずは直近の試合での失敗や違和感、負の感情などを全て書き出してみた。試合前日の睡眠時間や食事も細かく書き出し、それぞれの関連性など自分で自分の分析を始めた、「自分研究ノート」の始まりだった。


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自分を研究したことで得られたものはたくさんあった。周りへの感謝や配慮も足りていなかったことに気付けた。試合での弱点、原因と結果、それらの対策方法も明確に見えるようになっていった。その年、優勝2回トップ10入り14回という好成績を残し、初の賞金女王に輝いた。しかし「まだまだ。もっともっと強くなれる」と気持ちをさらに高ぶらせていった。97年には自分研究ノートも完成し、その頃には自分だけでなく同伴プレーヤーの心理も見えるまでになっていた。最終日のバックナインでは優勝を争う選手との歩く位置やペースにもこだわった。あえて笑顔を見せず、感情を出さず、そっと忍び寄る女王のごとく心理戦を繰り広げた。肥後かおりからは試合中に白いタオルを振って「アッコ、もう降参!」と言われたこともある。97年にはキャリア最多の6勝を果たし、2度目の賞金女王になった。しかし「勝った試合より負けた試合の方がたくさんある。私は負け試合から学ぶことがたくさんあった」と振り返る。負けを繰り返す中で勝つための道を見つけた女王福嶋の努力は、実に興味深く、そしてシンプルであった。



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