<堀江x三田村 2>ホリエモン、海外含め驚異の年間300ラウンド!
2014年 マスターズ
期間:04/10〜04/13 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
<堀江x三田村 3>ホリエモン熱弁「日本のゴルフ場は違う方向に行っている!」
2014/04/05 12:28
【三田村昌鳳(以下、三田村)】 昔ね、スコットランドのロイヤル・マッセルバラっていうゴルフ場に行ったんです。夕方前についてバーッと回ってお城みたいなクラブハウスに戻ってきてね。とりあえずコーヒーでも飲もうとしたら、ヨレヨレのブレザーを着てネクタイを締めた酔っ払いのおじさんに捕まった。「お前、なに飲んでんだ。コーヒーなんか飲むんじゃない。ビールを飲め!」って。
【堀江貴文(以下、堀江)】 ほう。
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【三田村】 「僕、車なんで…」って言っても、「俺が飲めって言っているのに、言うこと聞かないのか!」ってなる。そのうち若い人たちが何人かやって来て、「俺たちのキャプテンだから悪いけど一杯付き合ってやってよ」みたいな感じで皆で話を始めたんですね。結局、そういうクラブのバーの雰囲気って日本にあまりない。日本だとどうしても車で朝早く来て、終わってすぐ帰っちゃう。そのとき初めて経験したけど、ちょこっと回って、飲んで色んな話をするっていう生活密着型のゴルフっていうのが海外に多いんですね。
【堀江】 ほんとの意味でクラブですね。
【三田村】 デトロイトの全米オープンをやったコースでプレーさせて貰うことになって。朝7時に待ち合わせなんですよ。僕はメンバーじゃないんで1人でクラブハウスに入れない。ロッカールームをうろちょろしていたら、メンバーの人が「お前のホストは誰だ?」って。「△△です」っていうと、「あ、あいつね。6時45分にここのテーブルで座ってコーヒー飲むから、ここのテーブルで待ってろ」って、そういう感じなの。奧にジムがあるんだけど、僕が行ったときは仕上がっている人がほとんどで。ジムやって、ネクタイ締めて会社に出掛けるっていうね。
【堀江】 ジムに来てるんですか?
【三田村】 メンバーなんだけど、ジムに来てる。さっきのマッセルバラでも、「コース分かるか?」って聞かれて「初めてです」って答えたら「前の組についていかないと迷うよ」って言われたんです。矢印もなにもない入り組んだところなので。じゃあ前の人についていこうって1番ティに行ったら、フェアウェイが目の前にあるのに、PWを持って全然違う方に構えてるんですよ!よく見ると、そちらに8番か9番のグリーンがある。これクロスカントリーっていうゲームで、その人は3ホールくらい回って酒飲んで家に帰ろうっていう人で、僕らは18ホールを回ろうというのにね。日本でも大昔はクロスカントリーっていうのは年に1回、クラブの大晦日とかにお遊びとしてあったんです。今、そういうことは一切ないけど、ほんと生活に密着している。日本でいうとパチンコみたいな。パチンコって表現はおかしいけど、ちょっと時間があるからゴルフやろうとか。
【堀江】 地方都市だとそれに近いことをやっている気がしますね。たとえば僕はイーグルポイント(茨城県)に行くんですけど、そこってJRAの美浦トレセンが近い。もうなくなっちゃたんですけど、僕、昔は馬主資格を持っていて、そこの厩舎の先生とか調教師の先生とかは朝、馬に調教をつけ終わって8時くらいからプラッと回って午前中で帰るとか、結構普段使いをしていましたね。あそこは会員になると安く回れるんです。そういう使い方をしてる人はいますね。あそこは割とそういう雰囲気ありますよ。
【三田村】 なんとなく顔見知りであるみたいな。あまり広げてないっていう。
【堀江】 そうそう、理事が赤字を負担するみたいな。
【三田村】 へっへっ。
【堀江】 でもね、ああやってしないと良いゴルフ場を良い状態で維持できないですね、間違いなく。僕の大好きなコースに沖縄のサザンリンクスっていうのがあって。もともとあそこはGS(ゴールドマンサックス)のファンドが買収して、そのあとアコーディアに運営委託されてコースが変わりましたね。もうバンカーとか埋めまくって、めっちゃ簡単になってたりして。
【三田村】 どう思います?例えばPGMとかアコーディアとか外資がああいう運営の仕方をしているっていうのは?
【堀江】 良い面と悪い面がありますよね。ああいうコースはあってもいいと思うんですけど、まあサザンリンクスとか成田ゴルフ倶楽部とかは、アコーディアにやって欲しくなかったですけどね。
【三田村】 “クラブライフの頑固さ”みたいなものがあるコースもいいですよね。
【堀江】 ただですよ。日本のゴルフ場って違う方向に行っていると思うんですよ。たとえば、洗面所をちょっとでも汚したら拭かなくちゃといけないとか、風呂桶を元に戻さないと注意されるとか、ちょっと違うでしょって。短パンの時はハイソックスにしないといけないとか、ちょっとでもポロシャツがインしてなかったら、エチケット委員みたいな人が遠目から見て飛んでくるとか。そういうのって本筋からずれている気がするんです。
【三田村】 じゃあ、基本的に本筋はどういうのが理想?硬からず、軟らからずっていう塩梅があるじゃないですか?
【堀江】 僕は“ゴルフを楽しむ”っていう一点に尽きると思います。逆に言うとゴルフ場をみんなで良い状態に保つという意味で、ボールマークをちゃんと直すとか、バンカーはちゃんと均すとか、ターフを直すとか。そういう意味でのマナーは守るべきと言うか、自主的にそういうことをやる癖をつける。プレーファストとか。下手は下手なりにスピードというかリズムは大事ですよね。難しいことではないので、そういうところが本筋なのかなって思いますね。
(第4回につづく)
- 堀江貴文
- 1972年福岡県八女市生まれ。東京大学在学中の96年に有限会社オン・ザ・エッヂを設立。エッジ、ライブドアと社名を変え、プロ野球球団やニッポン放送買収で世間の注目を集める。05年には衆議院の総選挙にも立候補したが、翌年に証券取引法違反で逮捕され、11年6月に収監。刑期を終えた現在はSNS株式会社のファウンダー兼従業員として活動を行っている。愛称はホリエモン。
- 三田村昌鳳
- 1949年神奈川県逗子市生まれ。立正大学卒業後、週刊アサヒゴルフ副編集長を経て、77年に独立して株式会社S&Aプランニングを設立。ゴルフジャーナリストとして73年から世界のメジャーを追い続けている。95年には米国でスポーツライター・ホール・オブ・フェイムを受賞。96年の第1回ジョニーウォーカー・ゴルフジャーナリスト賞最優秀記事賞を受賞。著書に「タイガー・ウッズ伝説の序章」「伝説創生」など多数。
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