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<堀江×川淵6>ゴルフの逆境をプラスに変えるには?

川淵三郎氏vs.堀江貴文氏 対談その6

【川淵三郎氏(以下、川淵)】とにかく、ゴルフが好きなジュニアをいかに増やしていくかってことは絶対にやらなければいけない。それに関わるゴルフ界と人、組織の関係がまるでできていない。皆がそういうことに対して一つの方向に向かってやっていけば、すごく変わっていくんじゃないかと思います。

それに、日本のトッププロにあまり魅力ある選手がいないとは言っても、実際にプロアマで一緒にやると、やっぱり男子プロはすごいなと思いますよ。

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【堀江貴文氏(以下、堀江)】確かに男子の技術はヤバイですよね。

【川淵】ただそれがテレビを通じて伝わらない。一番肝心なのは姿勢です。アメリカの大会を見ていると、ダスティン・ジョンソンバッバ・ワトソンなんかは、自分がパットをミスしても表情を変えないよね。ジョーダン・スピースなんかが表情を変えるのは、自分のフラストレーションを発散するためにやっているのはよく分かる。それに比べると、日本人プロの試合会場における態度は明らかに落ちるよ。不愉快な顔するんじゃないよ!って。見たくないんだよ、そんな顔は。別に媚びへつらえというのではないけれど、スポーツマンライクな姿勢というのをもっと意識しないとね。

“オレはとにかく勝ちゃあいいんだ”というね、そういうのをファンは好きじゃないですよ。個人的にしゃべると立派なことを言うんだけど、“俺は特別なんだ”という感じを持っているんだよ。この前、宍戸(注:日本ゴルフツアー選手権)のプロアマをやったときね、青木さん(功/JGTO会長)が選手たちに「出口でお客さんを見送れ」って言って、幹事役が選手を呼びにきたら、なんか不愉快そうな顔をしている選手がいたんだよ。僕は何も言わなかったけど、そんなことじゃ話にならないね。

【堀江】そのへん、日本の女子はしっかりしていますね。

【川淵】それは樋口さん(久子/前日本女子プロゴルフ協会会長)が徹底してやったから。でも、男子はそういうのを言える人がいなかった。そこは問題。青木さんが言わないと、言う人がいないもんね。

【堀江】そうですよね。

【川淵】そういう意味では「心得違いしているんじゃないの?」って思いますね。僕は、宮里兄弟(聖志優作)とか深堀(圭一郎)とか、いつも感じの良い選手が勝ってくれればいいと思って見ている。池田(勇太)も最近すごく良くなったね。心から勝ってほしいと思う選手が勝って、青木や尾崎中嶋みたいなスター選手が出てこないと、ゴルフ界全体は盛り上がらないよね。

画面を通してファンが見ているという意識をもっとしっかり持つべきでしょう。誰からお金をもらっているんだ!と。サッカー選手のコメントなんか見ていても「応援よろしくお願いします」しか言えない選手はダメ。もっと他に言うことあるだろうと。「パスが良かったから触るだけで良かった」って、触るだけで良かったらもっといっぱい点が入るだろう!って(笑)。自分のアピールの仕方を知らないんだよ。そういう意味では教育が必要です。

【堀江】日本の女子は、それをやっているからスポンサーも増えているんでしょうね。みんな(試合を)やりたいって言いますよね、女子は。

【川淵】サントリーの佐治さん(信忠/サントリーホールディングス会長)も、男子のプロアマに行って不愉快な思いをしたから(支援を)やめたんだと思うよ、個人的な想像ではね(笑)。だって、女子はやめていないもの。男子もスポンサーのトップが抱くイメージがもっとプラスだったら、こんなに試合は減らないよ。

【堀江】おっしゃる通りだと思います。でも逆に、試合数が減っているからチャンスかもしれないですね。

【川淵】うん、そう。ほんと、ほんと。逆境をプラスに向けるという意味では本当にそうだよね。結局、そこでリーダーシップを持って「成功するからやってみろ!」「たとえひもじい時期はあったとしても、長い目でみればこちらの方が成功するんだ!」と言えるような人が誰もいないってことなんじゃないのかな。

【堀江】(日本の)男子ツアーは賞金総額がたったの35億円ですよね。“たったの”って言ったら申し訳ないけど、諸々の経費を入れても多分年間予算は200~300億円じゃないですか。放映権だけで100億出す会社があってもおかしくないと思いますよ。

GDO編集部:川淵さん、実際に何かお話があればゴルフ界に足を踏み入れるおつもりは?

【川淵】いやー、堀江さんにやってもらいましょうよ。

【堀江】僕は敵が多いから(苦笑)

【川淵】敵の多い方が、やり甲斐があっていいんですよ(笑)

(完)

(取材構成/編集部・今岡涼太)

川淵 三郎
1936年、大阪府高石市出身。57年、早稲田大学に入学。58年に日本代表選手に選抜され、60年ワールドカップチリ大会アジア予選に出場。61年に古河電工に入社。64年、東京オリンピックに出場。80年、ロサンゼルルオリンピック強化部長を経て日本代表監督に就任。88年、日本サッカーリーグ(JSL)の総務主事、日本サッカー協会理事。91年に日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)初代チェアマンに就任。2002年~2008年日本サッカー協会第10代会長。名誉会長を経て、現在は最高顧問。2013年より公立大学法人首都大学東京の理事長。また、2014年から日本バスケットボール界の改革に関わり、2015年5月に日本バスケットボール協会(JBA)会長に就任。現在はJBAエグゼクティブアドバイザー。

堀江 貴文
1972年福岡県八女市生まれ。東京大学在学中の96年に有限会社オン・ザ・エッヂを設立。エッジ、ライブドアと社名を変え、プロ野球球団やニッポン放送買収で世間の注目を集める。05年には衆議院の総選挙にも立候補したが、翌年に証券取引法違反で逮捕され、11年6月に収監。刑期を終えた現在はSNS株式会社のファウンダー兼従業員として活動を行っている。愛称はホリエモン。


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